「まぁ、それなら勘弁してやろう」 「はぁ。それで、シェアハウスのルールを教えて欲しい。」 「ルールかぁ、そうだな。家事に関しては、ご飯は俺が作る。掃除は、各部屋は個人がやって週末にみんなで共用スペースをやる。洗濯は俺以外が週替わりでやる。ってとこかな。あとは基本フリー。たまに皆で飲み行ったり家で映画見たりする時間はとってる。あ、これ強制参加だからな」 そう言いながら手際よく野菜を切っている。 龍さんご飯全部作ってるの？まじで？普通ご飯は各自で、たまに一緒に食べたりするんじゃないの？社会人なのにすげーな… 「それ、龍さん大変じゃないの？」 「それってどれが？」 「それ」 「あー、映画見るとき何を見るかで揉めること？確かに大変かもな…」 「ちがうー！！毎日みんなのご飯作ってること！！みんないい大人なんだし、ご飯くらいは自分で…」 「それじゃ一緒に暮らしてる意味無いじゃん(笑)俺たちみんな家族だろ(笑)家族で役割分担するのは当たり前だろ」 かっこいい顔で笑いながらそんなこと言われたら、はい、そうですね。と言うしかなくなる。いい人なんだなぁと漠然とそう思った。 「そんなもんかねえ。まぁもともとあるルールなんだから俺は口出ししないけどさ」 「俺の料理を食べたら意見も変わるさ。後で詳しく色々教えるから、ご飯できるまでちょっとテレビでも見てて」 「分かった。個人の部屋は見ないからちょっと家の中を一通り見てるね」