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この一言で話の展開が急速に変わることを俺は知っている。他人であれば「突然ぶっ混んできたな」と苦笑いを浮かべるレベルだということも。 だってこれは若かりしき頃の黒歴史であり、付き合う相手は選んだ方がいいと身に染みて感じたブツだ。 展開について行けないって? 大丈夫、俺もだよ。 先程までいつも通り業務をこなしていた筈だった。 どうしてこれを、彼が… 『店長!すみません、レジの調子が…あれ?店長は?』 店の方から新人くんではないホール担当の女の子の声が聞こえて、ぶるぶると震えていた手でなんとかDVDを袋に戻す。少々乱暴にロッカーを閉めた。 「っはい今行きま、すッ…ゴホッ」 挙動不審だ。 ーーー 後半の業務は気が気では無かった。 まず説明させて欲しいのだが、「人は誰しも人に言えない秘密の1つや、2つあると言うように俺にもある」という典型的なやつだ。そういう趣味があったわけじゃない。 当時、何歳だろう…多分20歳前半。性欲も今よりあった頃に付き合っていた年上の超絶美女な彼女がなかなかのドSな人で、あれだ。その。 俺の後ろを攻めるのが大好きな変態だった。 最初の頃こそ本当に嫌で、泣くほど嫌で、なんなら泣いてたけれどそれが余計にそそられたらしく最終的には映像に残したいとトチ狂ったことを言い出した。 俺が一目惚れしてアピールしまくってなんとか奇跡的にお付き合いする事ができた彼女だったし、俺にお願いするなんて珍しくて渋々オッケーしたらまんまと騙された。 連れて行かれた先は完全にAVの撮影現場で用意されていた男優複数人に……うっ… これ以上は思い出すだけで鼻水が垂れそうになるので省略する。一応一般人ということで目元は隠されているが、目元以外はモロ俺だ。 まあ、結局あれが原因で彼女とは別れたし、そもそも最初から素人枠でAVに出演させる為に俺の後ろを弄っていた彼女なんて…ピュア思考の自分からしたらショックがデカすぎる。 そして手元に残ったのは出演のギャラと、元カノに対してのトラウマだけだった。

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