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04
「君って、女の子以外もイケたりするの?」
――ああ、良かった。
マフラーしてて。
もし顔を隠していなかったら俺の表情が店長にバレていただろう。そうしたらきっと引かれてた。
明らかに態度のおかしい店長との会話を終えて店の裏口から外に出る。外にはふわふわと真っ白な雪が散り始めていた。ああ、寒い。すごく寒い。俺は寒いのは苦手なんだ。
でも今日はこの寒さも苦ではない。
マフラーをズラして、はあ…と白い息を吐いた。
「…掛かったァ」
自分でも気持ち悪いくらい笑ってるのが分かる。口角がこれでもかと言うほどあがるのを抑えられないし、高揚感で体が熱い。全細胞が歓喜している。風邪を引いた時のように目の奥が熱い。
もしかして俺、涙浮かべてるんじゃないだろうか。いや、絶対に涙だ。目の前が霞んでる。はは、よくやった。よくやったぞ。
世間一般からしたら「そんなこと」
だけど俺からしたら「すごいこと」
店長。
すきです、好き。
大好きです。
今度こそはどうか、
どうか俺の腕で抱き締められますように。
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