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「て、てん、てててて、てんちょ…!?」
流石に動揺を隠しきれず慌てふためく俺に乗り上げる形で店長に跨られている。なにこれ、天国…?
じゃなくて。
「新人くん…俺に自信を取り戻させてくれないかな」
「自信って…?あっ!ちょっ」
店長が上に着ていた服を脱ぐ。露わになった日焼けをしていない肌が目に痛い。こんな近くで店長の肌が…あああ
「男に何されたって気持ちよくならないって。証明して欲しいんだよ。…俺は淫乱なんかじゃない…!」
…あの女、店長にも直接言ってたんだ。
可哀想な店長。
でも、そっか。そうだよね。
――男で気持ちよくなるなんて、嫌だよね。
何を浮かれていたんだろう、俺は。
店長が男も恋愛対象で俺にも希望があるなんて。そんな相手なかなか居ないって分かってた筈なのに。
「………嫌か?」
店長が据わった目で俺を見下ろす。俺の大好きな人が俺を頼ってる。余計なことなんて考える必要ない。差し伸ばされた手を拒むことなんて、俺にはできない。
頬に手を添えた。
温かいと思ったのに、結構冷たい。
この頬を俺が染めるのか。
「……じゃあさ、店長。交換条件」
「交換条件?」
首を傾げる。頬から手を滑らせて首筋に触れる。太い血管をなぞるとどくん、どくん、と血液の流れを感じた。
「もし俺で…男で気持ちよくなっちゃったら…、………俺と、付き合ってくれますか?」
果たして彼は俺の言葉を、約束を、目が覚めても覚えていてくれるだろうか。
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