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第16話
慎『すずー、…なぁ。』
鈴華『…なに。』
慎『一目惚れ、したの?』
鈴華『…分かんない、けど。』
慎『けど?』
鈴華『心臓がうるさい…。』
自分で言って恥ずかしくなり、顔を覆う。
慎『おま、可愛い~♡』
鈴華『可愛くないっ! 』
慎『でも好きなんだろ?それ。』
鈴華『知らない…臣は天然タラシ。』
先程のクラスメイトの春臣をウットリ見る目を思い出す。
慎『あー、たしかに。
瀬古って、興味無さそうに見えて、ずっとすずのこと見てるよな。』
それはなんとなく気づいてる。
慎『まぁ鈴華を応援するけど、アイツなんかあるから気をつけろよ。』
このように、たまに慎がガチの時がある。
…調子狂う。
鈴華『気をつけるって何に?』
慎『さぁ、わっかんねー。』
一体、慎は何を言いたいのか考えていたらモヤモヤした。
春臣に何があるっていうのか…。
でも慎の言うことには信憑性があった。
鈴華『もー、シンシン教えてよー。』
慎『知らねーって。
でも鈴のせいで瀬古に嫌われたらどうするのさー。』
鈴華『なんで?
ってかシンシンは嫌われたくないの?』
慎『そりゃ、嫌われないで損は無いだろ。』
鈴華『ふーん。』
ま、そりゃそうか。
そんなこんなでクラスに戻ってくると、臣に人が集まっていた。
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