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第32話
?『藤中っ、おい!!』
焦ったように呼ばれる声に目を覚ました。
慎『っ…あれ、せんせ…。ここは?』
痛みに顔を歪めながらも頭を働かせる。
俺、教室戻ったはずなんだけど。
担任『倒れたんだよ…。』
慎『え、うわぁ…恥ず。』
いい歳して倒れてしまった。
担任『馬鹿、大丈夫かよ。』
慎『大丈夫…ではないかな。 』
心が痛い。
寂しい、虚しい、愛されたい…。
そう思ったら辛くてしょうがなくなってきた。
慎『…今は何時?』
担任『もうすぐ6限目も終わる。』
慎『えっ、せんせー授業は?』
そういえば当たり前のように座っててくれてたけど…。
担任『自習にした。』
そんなサラッと?!
慎『俺なんか放っておいて良かったのに、ごめんね。』
一応そばに居てくれた先生にお礼を言う。
だが、不思議な言葉が返ってきた。
担任『違う、お前みたいなやつだから逆に目が離せないんだ。』
俺みたいなやつだから目が離せない…?
どういうこと?
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