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第34話
コンコンっ
鈴華『慎…?』
鈴華が来たので、先生の手をそっと離した。
軽く微笑んでお礼を言う。
慎『二人とも、荷物さんきゅ…助かった。』
でもやはり鈴華にはバレた。
鈴華『何があったの?』
慎『別にないよ?』
鈴華『それ程言いたくないの?』
なんで鈴華が傷ついた顔するんだよ…。
春臣『藤中。』
ほら、瀬古が面倒くさい
こいつは鈴華の事になるとしつこいし。
慎『あーもう、分かったよ…先生俺帰る。』
担任『バカ、そんなんで帰れるわけねーだろ。俺が送ってくし、なんか話すならここ使え。』
何となくこの人にはあまり近付かない方がいいと思ってしまったが、何故か断る事もできない。
慎『ありがとう…。』
春臣『俺教室に居る。 』
鈴華『うん。』
瀬古は保健室を出る。
担任『俺も一服してくるわ。』
先生も保健室を出た。
鈴華『どうしたの?』
慎『鈴華、俺誰かと付き合うのやめるわ。』
鈴華『どうして?』
慎『幸とその元彼に別れてくれって言われた。』
鈴華『はぁ?!元彼?!』
慎『あと、幸に
「毎日僕に愛をくれたけど、僕を好きな風には見えない時があったんだ。ただ愛情を欲してる時がある」って言われた。
俺は誰かに愛されたいだけなんだって。』
鈴華『慎…。』
慎『初めて言われて気づいた。
俺ってそんなに最低なんだって。』
鈴華『最低じゃないよ。』
慎『でも確かに、幸に最後まで恋愛感情があったかと言われたらなかった。
ただまもってやりたいとか、幸せにしたいとか自己満ばっかり。これから付き合う子にもそんなんだったら嫌だからもう付き合うのはやめた。』
鈴華『もし、本当に好きな人が出来たらどうするの?』
慎『…分からない。』
鈴華『でもそんなの慎が壊れちゃうよ。』
慎『付き合ってないくらいで壊れないよ笑』
でもまぁ恋愛依存症なところあるから、情緒不安定にはなるだろうけど。
鈴華『辛かったら俺にも話して。』
慎『分かってる。ほら、瀬古も待たしてるんだから早く行ったほうがいいよ。』
鈴華『分かった、今日はとりあえず帰るね。』
慎『うん。』
鈴華は保健室を出ていった。
一人になった俺はため息をついた。
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