37 / 130
第36話
穂澄『…動いて平気か?』
俺を見てからの少しの間が気になったけど、すぐに元に戻った。
慎『ん、平気…本当に歩いて帰れるよ?』
穂澄『駄目だ、俺が送る。』
慎『…』
送るって言われても、家に帰りたくないんだけど…。
どうしようか悩んでいると、先生が口を開いた。
穂澄『…少し俺ん家来こないか?』
まさか先生からそんな事言われると思っていなくて驚いてしまった。
穂澄『え?』
固まる俺に何故か慌てたように言葉を付け足した。
穂澄『いや、そんなお前を家に返すのは不安で…。』
慎『どうして…』
どうして今の俺にそんな言葉をかけるの?
穂澄『どうした?』
慎『いや、じゃあお邪魔するかな…。
仕事終わるまでここに居るから。』
穂澄『あぁ、帰んなよ?』
慎『大丈夫だって。』
それからは先生は残りの仕事を片付けるために職員室に戻った。
俺は再度保健室のベッドに寝転がって目を閉じた。
ともだちにシェアしよう!