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第80話

鈴華side 屋上へ出ると、おみは少し歩いてから座ったので自分も横に腰を下ろす。 春臣『お前、俺の事嫌いなの。』 拗ねた感じで聞いてくるので心が痛くなった。 鈴華『ううん、嫌いじゃないよ。』 春臣『じゃあ何。』 鈴華『勉強、しなきゃだったから…』 春臣『それ。』 突然指摘されて首を傾げる。 鈴華『それ?』 春臣『どうしてそんなに勉強に追われてんの?』 聞かれると分かってはいても、ドキリとした。 鈴華『……怒られるから、捨てられるから…やらないと。』 ここで適当に誤魔化すことも出来たが、何故か春臣に嘘はつきたくない。 春臣『親?』 鈴華『うん。』 そう聞いて顔を歪める春臣。 春臣『俺をシカトし始めたのは勉強したいから?』 鈴華『…うん、だっておみが居たら気になって出来ない…』 口をとんがらがして言うと春臣は笑い始めた。 春臣『ふっ…くく…』 鈴華『なんで笑うのー。』 春臣『可愛い…俺が勉強一緒にすれば良くね?』 今の可愛いって何?!え?! 鈴華『してくれるの…?』 春臣『朝でも放課後でも昼でも。だから俺の事無視すんなよ、わかったか?』 鈴華『っ…わかった、ごめん。』 少し顔が赤くなったが大人しく頷いた。 春臣『おう。』 多分これで何とか仲直りできた、はず…?

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