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迷いうさぎはさみしがり-5

「うーの、発情、きた……」 ねむは……勃っていた。 多岐の匂いが染みついたパーカーの内側で、生まれて初めて初心な性器を硬くさせていた。 「からだ、あつい……おちんちん、あつい……うーの発情、初めて、きた」 ソファに膝を突いて多岐の腰に縋りついている、ねむ。 リビングの片隅で棒立ちとなっていたアラフォー男はぎこちなく振り返ってみた。 ねむは……片手で多岐が羽織るパーカーを握りしめ、片手を……自分の股間に潜り込ませていた。 ぺちゃんとしなだれた兎耳。 いつにもまして潤んだ黒目。 これまでになかった色香を匂わせて、我が身に訪れた発情に忠実になって、勃ち上がった性器に興味津々に触れていた。 「ばか、お前……そういうのはな、他人の前でやるな」 「タキ……おれ、おちんちん……かたくなってる……」 「だからな、ねむ」 「じんじん、する……いつも、ちがう……むずむず、むずむず……じんじん……」 上擦った声を紡いでいたねむはおもむろに目を閉じると色づいた唇を緩く開いた。 「はぁ……」 溢れ出た艶やかな吐息。 多岐の鼓膜どころか胸にまでダイレクトに響いた甘い声。 無理だ。 抑えられない。 第一発情に心身共に平伏して本能のまま我が身を高めようとしていたねむに同調した多岐は。 ソファに彼を押し倒した。 華奢な肢体に完全に覆いかぶさり、指先を吸われたばかりの骨張った手を、股間を覆う柔らかな手に真っ先に重ねた。 「あ」 「ココがジンジンするのか」 「ん……する……おちんちん……あつい」 「俺に見せてくれるか」 ねむは多岐の欲求をすんなり受け入れた。 自分にはだぼだぼで丈が長いパーカー裾をもぞりと捲り上げ、股間に差し込んでいた手をゆっくり退かしていく。 外見的には人間と変わりない、ねむの、性器。 すっぽり皮に覆われて、ぷるぷるした先っちょがちょこっと覗き、支えをなくして不安定に虚空で揺らめいている。 俺も変だ。 自分が持っているモノにこんなにも興奮するなんて。 触れたい。 蕩けさせたい。 この手で何もかも教えてやりたい……。 「あ」 多岐に握りしめられてねむは眠たげに瞬きした。 一段と頭の奥がとろとろしてくる。 下肢を中心にして溜まった熱がさらに全身に満ちていく。 上下に優しく愛撫される。 次第にずれていく包皮。 先っちょが徐々に露出していく。 「う……ん……」 伸びをするように多岐の真下でねむは気怠そうに大きく胸を反らした。 目立たない喉骨がぴくぴく震える。 涼しげに長い睫毛が紅潮した頬に影を落とす。 「もっと……」 多岐は思わず動きを止めた。 無防備極まりないねむを改めて間近に見つめた……。

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