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おはよう平凡先生-2

放課後。 小テストの問題を作成していた鈴鳴は小さな欠伸をした。 時刻は夜七時前、部活動に励んでいた生徒達も帰宅し、鈴鳴以外無人の職員室はほぼ消灯されて目の前のライトだけが煌々と明かりを点していた。 「そろそろ帰ろうかな……」 もたもた帰り支度をしていたら扉がガラリと開かれて「ぎゃっ!」とつい悲鳴を上げるビビリ鈴鳴。 「あ、噂をすれば。鈴鳴先生じゃないですか」 「これから一緒に夕食どうかな」 「近くに美味しいイタリアンあるから」 有九賀と冬堂と佐々、職員室の大人美形sがやってきて鈴鳴は反射的に身を竦ませた。 「おおっおっお疲れ様でした!!」 顔も見ずに荷物を抱えて逃げ去ろうとしたが、冬堂が扉を塞ぎ、有九賀と佐々に左右から挟まれて立ち往生してしまう。 「あわわわわわ」 「そんなあわあわしないで? どうして僕達のこと避けるんですか、鈴鳴先生」 「あ、有九賀先生……だ、だって……」 「私たちのことが嫌いなのかな、鈴鳴先生」 「と、冬堂先生……そ、そんなことは……ちょこっと苦手ですけど」 「どうして苦手なの、鈴鳴先生」 夜の職員室、昼より魅力が増している大人美形sにいつもの如く囲まれて鈴鳴は頑なに俯いた。 「だ、だって……先生達が……おれのこと、苦手……でしょ」 「「「は?」」」 「ま、毎日毎日……イヤガラセしてくるじゃ……ないですか」 「「「イヤガラセ?」」」 「こ、こういう風に……おれのこと囲んで、困らせて……い、い、威圧してくるっていうか」 「「「それは鈴鳴先生がかわいいから」」」 ………………かわいい? ………………きもい、の聞き間違い? 「イヤガラセだと思われていたなんてショックです」 「まさか私達の好意に気づいていなかったとは」 「それなら今からたっぷりちゃんと教えてあげる」 女子ならば心も体も蕩けちゃいそうな極上の微笑みを浮かべた大人美形sに鈴鳴はあわあわあわわわわ……。

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