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いっちょん好かんと-7

民宿は簡素な造りながらも天然の内湯温泉がついていた。 「このお風呂、白いんだね」 白濁していて少しとろみのあるお湯に並んで浸かった森山と瀬利。 「ちょっと熱いね」 「こげんとが熱かと? ぜんっぜん平気やし。瀬利くん弱っちか」 「さっきから俺に対して厳しいよね、森山くん」 二人以外誰もいない薄暗い浴場に反響する話し声。 かけ流しの源泉、惜しみなく流れるお湯の音色が耳に心地いい。 「もしかして颯之輔くんにやいてるとか」 「ば……ッッッ」 「ばかたれ」と言いたかった森山の声は中途半端なところで途切れた。 ぷいっとそっぽを向き「ソウちゃんにヤキモチなんかやかんもん、弟やし、小学生やし、おいもう大学生やし」とブツブツ一人ごちる。 瀬利は恋人の赤くなった横顔をじっと見つめた。 不意に、波打つお湯に、大きな波紋が広がった。 「ひ、人っ、人来るっ、離れてよ瀬利くんっ」 「ン……今離れるの、むり」 「う、うそやろっ、ちょーーー……っも、変態ぃ……っっ」 がらがらがら! 檜の香る内風呂の隅っこで森山は凍りついた、浴場にやってきたのは数人のおじさん達、しかも顔見知りの地元民だった。 「あらら、森山さんとこの長男やかね」 声までかけられて、何とか笑顔で取り繕い、返事をする。 「ど、どうも……お世話になっとります……」 本当は返事をするどころではないというのに。 全体的に薄暗く、白濁した湯、温泉の湯気でぼやけているのに救われた。 突拍子もなく盛った瀬利にむりやり本番を強いられて。 背面座位で奥までがっつりインサート。 ジンジン痺れるナイショの性感帯をイケメンペニスでぐりんぐりん刺激されて「っっっ」と声が溢れ出そうになる。 「やめっ、やめんねっ、今動くのナシっ、おっちゃん達出るまで禁止っ」 「あの人達、お風呂に入ってくると思うけど。気づかれないよう頑張ってね……?」 「な……っんでそんな他人事なんっ、っ、あふっ、動かんでってば……っ瀬利くんのばかたれ……!!」 「だ、だめだって……もうむり……っ」 似たような悲鳴が森山宅でも紡がれていた。 正確に言うならば弟二人が使っている二階の部屋の二段ベッド下で。 「起きちゃうから、颯之輔クン……っ」 布団と、毛布と、浩哉に覆い隠された珠那。 自宅から持ってきたパジャマを乱されて、寝バックで、貫かれていた。 上のベッドで颯之輔が寝ているというのに。 「颯之輔、夜中に野良猫がウチん中入り込んで騒いだときも熟睡しとったけん」 「っ……野良猫といっしょにされても困……っあ……ん……っ」 涙目になって必死で声を押し殺していた珠那はシーツをぎゅぅっと握りしめた。 がむしゃらにペニスを打ちつけてくる浩哉の、耳許にかかる熱い吐息に心臓をゾクゾクさせた。 「颯之輔にばっか構って、おいのこと、放置しとったけん。今構って」 「そ、んな……こどもみたいなこと……」 「うん。おい、まだガキやけん。ワガママきいて」 すやすや熟睡する末っ子の真下で発情まっしぐらな中学三年生次男に、珠那も、初心な体を昂ぶらせてしまう……。 「また来てねっ、待っとるけん、ぐすっ、いつでも遊びきてっ、ぐすんっ」 無人駅のホームで堪えきれずに涙する颯之輔。 もらい泣きする森山、末っ子の頭をポンポンしてやる浩哉、三人に見送られて電車に乗り込んだ瀬利と珠那。 「ねぇ、珠那」 「うん……」 「来月また来ようか」 「来たい……」 精一杯手を振る、恋人によく似た可愛らしい小さな末っ子男子に窓越しに揃って手を振り返す、柄にもなく純粋に涙ぐむ美形兄弟であった……。 end

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