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女体化した幼馴染みがすぐ元に戻ったけど意外と平気だった。-9

『幼馴染みに水難の相あり』 終業式、大掃除。 これが終われば夏休み、生徒達は笑顔で計画を立てたり、今日はどこのファストフードかファミレスへ行こうか話し合ったりと、掃除用具を持った手より口の方が忙しく動いていた。 「和希ぃ! なぁなぁ、花火大会行こうよ、でさ、期間限定のお化け屋敷行こ、そんでさ、もちろんプール行くよな!?」 「お前、七月中で全体力消耗するつもりか、瞬?」 和希と瞬はゴミ出し当番だった。 炎天下の校庭に出、ゴミ収集場へと向かう。 校庭清掃担当の男子生徒たちがふざけてホースによる水遊びをしていた。 「俺はレイヤーイベント巡りで忙しい」 「れいやー? なにそれ?」 「お前が代わりを務めてくれるのなら、全て付き合ってやってもいいぞ?」 「どうせえろいこと、させんだろ、ばかずき!」 「極僅かながらも勘がよくなったな、瞬?」 そんな下らない会話を交わしていたら。 水の勢いで暴走したホースがタイミングよく二人の方向へ……。 びしゃあああ!! 「……」 上半身に水をもろかぶりした和希に、瞬は、笑い転げる。 「ぎゃははは! なにやってんだよ!? 和希まじうける!!」 「……」 気まずそうに謝ってきた男子生徒たちを片手で追い返し、和希は、肩を竦めた。 「水難の相でも出ていたか、全く」 ダサ眼鏡を外し、濡れて張りつく不快な髪をぐっとかき上げる。 普段は隠されている一重の切れ長な双眸が直射日光の元、露となる。 水も滴るイイ男風に一瞬にして化けた和希。 同じくゴミ捨てに出ていた女子生徒が騒ぎ始めた。 「あれ、だれ?」 「うそ、キモヲタ甲原?」 「イイ意味で素顔やばくない?」 いきなり色気づいた女子達に、笑い転げていたはずの瞬は、急に面白くなくなった。 普通にしてりゃあ、こいつ、絶対もてるんだよな。 「おい、教室早く戻ろ、かず……、!!!??」 瞬はぎょっとし、女子一同はさらに色めいた。 和希がシャツのボタンを外し始めたのだ。 「なっなにしてんだよっ、すとりっぷでもやるつもりか!?」 「脱いだ方がいい、濡れて不快だ、涼しいしな」 「いちいち倒置法で説明すんな!」 和希はシャツを脱いでしまった。 百八十を超えた長身の和希は、なかなか、引き締まった体をしている。 スポーツに励んだというより、かつてのにゃん友といろんなプレイに励んだおかげ、かもしれない。 校舎に戻ればさらにざわつかれた。 「我々の同胞甲原が脱皮した……」 「蛹から蝶になった!」 「羽化したんだね、みんみん!!」 和希に一目おいていたヲタ集団が壁の向こうから囁いている。 告白しかねない様子で見とれている女子もいて、瞬は、全然面白くない。 荷物を持たされていた瞬、あたふたと、ダサ眼鏡を和希に装着した。 「ちょっとぉ! 皆本、眼鏡邪魔ぁ!」 「うっせぇ!! お前等、和希自体を邪魔扱いしてただろぉが、キモヲタ甲原が無駄にでかくて前が見えませーん、せんせーいって、言っただろぉが!」 外せコールを繰り返す女子一同に瞬が噛みつく。 和希は我関せず、上半身裸のまま教室に戻った。 体操着はすでに持ち帰っており、着替えのない彼はイスの背もたれに絞ったシャツを引っ掛けて乾かすことにした。 過剰に寄せられる視線に照れるでも動じるでもなく平然としている。 もしも全身濡れてたら、こいつ、多分ズボンも平然と脱いでただろうな。 そうなっていたら、うう、なんかぞっとする。 「おい、瞬」 机脇でぶすっと突っ立っていた瞬は、呼びかけられて、和希を見下ろした。 「んだよ?」 「餅の焼き方がうまいな、お前は」 「は……? 餅の……? 焼き方……? 餅……焼く……やきもち……、……っ、違うわぁぁぁっっボケェェェェ!!!!」 **** もしも瞬が濡れていたら。。 「ひゃぁ~冷たいけどきもちいぃ~……って、うぉい、なんでお前が脱いでんだ、和希!?」 「皆にお前の透け乳首を見られる、不快極まりない、上から重ね着しておけ、それに濡れて女顔度がUPしている、俺の眼鏡でもかけておけ」 「うえ、気持ち悪ぃぃ、酔いそう」 A. 結局ほぼいっしょ

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