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デレテルの?ヤンデルの?どっちが好きなの?-3
その頃から桐は髪を染めていた。
四月はあっという間に過ぎ去り、窓の向こうに広がる五月の空を背景にして甘く感じられる風を一身に浴びた彼はキラキラして見えた。
ビードロみたいだと永都は思った。
小学校の修学旅行、お土産屋で何気なく手にとったガラス細工。
繊細そうで、頑丈で、日に透かして見れば美しく光り輝いて。
よく目が合うな、と桐は思った。
一人でいることが多い、誰にも媚びない、でも声をかけてみたらすんなり自分に馴染んで、まるで自分の欠片を見つけたような。
ある日の放課後だった。
五時を過ぎてそれまでだらだら喋っていた友達と共に教室を出た桐だが。
一人だけ残っていた永都のことが何となく気になって、玄関前で友達と別れ、教室に戻ってみた。
自分の席に着いていたはずの永都は教室の片隅に佇んで桐の席を指先でなぞっていた。
『何してんの』
『……青山くん』
『虫でもいた?』
ぼんやり突っ立っていた永都の真正面までいつも通りの歩調でやってきた桐は。
何となく彼にキスした。
そして<何となく>は<運命>に変わった。
「あ、あ、ん……」
今度はシャツに隠れている永都の片乳首を服越しに舐め上げた。
唾液で濡らせばじわりと染みが広がり、うっすら淡い色彩がポツン、浮かんでくる。
さっきまで直に舐めしゃぶっていた方の乳首をクリクリとつねりしごきながら動物みたいにべろべろした。
すでに熱を帯びた二人の股間は制服ズボンをあからさまに盛り上げていた。
「永都の乳首、食べただけで、こんなたっちゃった」
「俺も……もう、ジンジンして……」
不意に胸元から顔を離した桐は唾液の糸を連ねたままイタズラっぽく永都に笑いかけた。
「永都のナカ、ジンジンしてるの?」
盛り上がった股間を重ね合わせ、腰を揺らして、擦り合いっこ。
悪癖になりそうなくらい気持ちいい。
「俺の、奥にほしいの?」
「……桐の、俺の奥にほしい」
「どんな風に?」
「……俺の一番奥に、桐の硬くて熱いの……いっぱい擦りつけてほしい、桐の精子でとろとろになるくらい……何度も何度も……ずっとナカでいってほしい……」
いっしょに下半身の服を脱がし合う。
急いた手つきでベッドの向こうに放り投げる。
「ね、もしも女だったら。それでも生で突かれたい?」
「突かれたい……生で。俺の奥まで。夜から夜まで突かれたい……」
「ほんと? ココに? 中出ししていいの? あかちゃんできるかもしんないよ?」
すでに零れ落ちていたカウパーを塗りつけるように後孔に押し当てる。
肉襞を拡げるように、先っぽを浅く潜り込ませ、クチュ、クチュ、入口を擦り上げる。
「ほしい……子宮、押し上げるくらい、いっぱい突かれて……桐の精子……受精したい」
「ほんとかわいい、永都、大好き」
「ッ、ッ、ッ」
桐は熱くてどうにかなりそうなペニスで永都を一思いに貫いた。
両足を押し開かれていた永都は鋭い牙で喉笛を切り裂かれた草食動物みたいにビクビクと悶絶した。
火照りきったナカがペニスをきゅぅきゅぅ締めつけてくる。
欲しくて欲しくて堪らなさそうにペニスを搾り立ててくる。
「あーーーー……すごい……」
「んん……っ桐の……お腹の下まで、きてる……」
「……ねぇ、永都?」
「……なに?」
「俺が女だったら孕ませたい?」
ずれ落ちていた眼鏡をかけ直してやった桐の問いかけに永都は迷いなく頷いた。
自分の傍らに両手を突いて今にも蕩けそうな眼差しで見下ろしてくる彼の顔に両手を添えた。
「桐が女だったら……ね? 外になんか出さないよ……? ここに閉じ込めて、毎日、ずっと……愛してあげる……俺のあかちゃんがおなかにできるまで……ずっとずっと……ずーーーーっと……一秒毎に愛してあげる」
背筋が粟立つくらい桐はゾクゾクした。
このまま動かなくても達してしまいそうだ。
「俺のこと監禁しちゃうの?」
「監禁するよ……? 俺と二人だけ、二人きりで、この部屋でずっといっしょ……あ、でもお父さんがいるから……お父さんは邪魔だよね……」
ほんとにいきそうだ。
「お父さん、いらないの?」
「いらないよ?」
「あ、ッ、永都、ッ」
「桐がいてくれたら、俺は、それだけでいいよ?」
「あ、あ、ッ、あ、あ、ッ、ッ」
「ッ……あ、桐、すごい……いっぱい……」
本当に桐はいってしまった。
永都の深い深い愛情にゾクゾクが止まらずにそのまま彼の最奥でペニスを痙攣させて激しく射精した。
「あ、うッ、んッ、んッ」
「ッ……これ……子宮、届きそう……」
「ッ、んッ、んッ、永都ッ」
「あ……っまだ……きて、る……」
ぎゅっと手を繋ぎ合った桐と永都。
そんな二人を祝福するようにカーテンの向こうで三日月が微笑む。
end
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