168 / 611
雨のち幼馴染み-8
ベッドにうつ伏せてクッションにしがみついた真尋に覆いかぶさった弘毅。
真尋が履くハーパン内に利き手がすっぽり潜り込んでいる。
もぞもぞと意味深に波打つ生地。
ボクサーパンツの内側にまで侵入し、双丘狭間にするりと滑り込み、夏休みに入ってから触れるようになった後孔に一番長い指が第二間接まで捻じ込まれていた。
そのとき。
弘毅専用である一人部屋のドアがノックされた。
「真尋ちゃん、椎茸の天ぷら食べられるようになったのかしら?」
クッションに顔を押しつけてカチコチ強張る真尋。
反対に弘毅は悠然と返事をした。
「うん。小学生の頃は駄目だったけど最近は平気だって」
真尋が椎茸の天ぷらが食べられるかどうか確認した母親はすぐに階下へ戻って行った。
足音に気を配っていた真尋は全身で息をつくのと同時に涙目でキッと真上の弘毅を睨みつける。
「こんなん寿命縮む!!」
「もう来ないから」
弘毅は幼馴染みの尻に捻じ込んだままにしていた指をクイクイと動かした。
途端にぞわわわわっと真尋は背中を震わせた。
「も、もぉ……今日で最後ッ……絶対最後……ッ」
「うん。わかった」
「あ、あっ……あぅーーー……っ」
何度も交わした不毛な会話。
真尋のうなじで弘毅は秘かに小さく笑う。
想像以上の人出で賑わった川祭り。
打ち上げ花火もラストスパートに差しかかったとき。
「誰も見てないから」
周囲に見知らぬ他人がひしめき合う河川敷で弘毅に手を握られて、真尋は、恋愛ドラマや少女マンガにありがちな王道展開に……正直ぞっとした。
「いや、見られてるって、ほら、笑ってんじゃん、後ろの奴」
「花火で笑ってるんだろ」
「花火見ての笑いじゃないって、完全悪意ある笑いだって、ていうかね、今軽く死にたいです」
「なぁ、真尋」
夜空を彩る大輪の火花に照らされながら凍りつく真尋に弘毅は言った。
「今日、お前とちゃんとセックスしたい」
うっわ、ないわーーーーーーー。
ともだちにシェアしよう!