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雨のち幼馴染み-9

「何回も言うけどありえないから、もう一回言うけど絶対むり、大体おばちゃんおじちゃんいるときに、お前暑さで脳みそ沸いちゃった? ん。あれ、車ないけどおじちゃんどっか行ってんの? ていうか暗、家んなか電気ついてないよ。もう寝たの? おばちゃん、こんな早い時間に寝てたっけ? 深夜ドラマ好きじゃなかった?」 本番お断り、健全お泊まりとして弘毅の自宅にやってきた真尋は真っ暗な津島家に首を傾げた。 自前の鍵で開錠し、玄関ドアをロックした弘毅は、薄暗い我が家に当惑している幼馴染みに告げた。 「父さんと母さん、おじいちゃんちに行ってる」 「え?」 「おばあちゃんが夏バテでダウンしたから」 「ちょ、それ初耳なんですけど、え、誰もいないの?」 「姉ちゃんは帰省する予定ない」 「いやいやいやいや、それは聞きましたけど、え、二人きりとか聞いてな……」 真正面から抱きしめられて真尋は立ち竦んだ。 相変わらず暗い家の玄関で強く、強く、掻き抱かれた。 外から引き摺ってきた熱気が密に溶け合う。 重なり合った正面がさらなる熱を生む。 「ちょ、ちょ、弘毅……ッ」 Tシャツを捲られるなり直に両手で背中や脇腹を撫で上げられた。 耳元に触れる火照った吐息に勝手に全身がゾクゾクする。 首筋に唇が当たったかと思えば即吸いつかれて、ビクンッ、過剰に反応してしまう。 やばい、これやばい、どうしよう、ガチなやつだ、ガチで俺のこと犯そうとしてる、弘毅。 真尋は焦った。 逞しい両腕に簡単に捕らわれて尻をもみもみされながら首筋をちゅっちゅされて、ぶわーーーっと真っ赤になり、とにかく幼馴染みの暴走を中断させなければと思って。 「まっ、まずシャワー浴びんのが鉄則だろッッ」 ……俺も何言ってんの、ガチで死ぬ。 家の明かりを点けるのも二の次にして弘毅は真尋を浴室に連れ込んだ。 「あ……ッぅ……ッ」 曇りガラスから差し込む外明かり。 冷たいシャワーを流しっぱなしにして、タイル壁に苦しげにもたれた真尋の背に密着し、最近すっかりはまっている幼馴染みの前立腺攻めに夢中になる。 七月後半から八月にかけて慣らしていった真尋のアナルには筋張った中指と薬指が突き立てられていた。 キッツキツだが二本は受け入れられるようになったソコの超絶性感帯をピンポイントで刺激してやる。 ぐいぐい、薬指も追加し、さらに拡げ、出し挿れする。 「は……ッああッッ」 「シャワーは冷たいのに、真尋のナカ、すごく熱い」 互いに全裸だった。 どちらの十代ペニスも健やかに勃起していた。 「う、うるひゃ……ッひ……ッこ、これ、指何本はいって……?」 「三本目。初めて挿入れてみたけど。大丈夫そうだ」 「大丈夫じゃ……ッそんなわけッッ、ッッあ……!!」 虚空で悶えていたペニスを握りしめられ、リズミカルにしごかれて、真尋は堪らなさそうに仰け反った。 冷水なのに熱湯を浴びている気分になってくる。 体中、発火しているみたいだ。 「は、あ、あっっ……だめっ……いっちゃ……ッ!!」 一頻り身悶えて絶頂しそうな素振りに至った真尋に弘毅は。 あれだけ執拗に尻奥を攻め突いていた指を未練なく引き抜いた。 同時にしごくのも切り上げる。 下半身に熱を注ぐだけ注いでおいて無情にも愛撫を中断した。 「今日は俺とのセックスでいってほしい」 暴走を中断したかったはずが、いきたくていきたくて堪らなかった真尋は、弘毅の傲慢ぶりに呆気にとられた。 こいつってイイコちゃん……だったよな? 俺だけがイイコちゃんからワルイコちゃんに変えられる……のかな?

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