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ぷりーず・ぷりーず・みー!-4
「あっち行こ?」
ソファでくたぁ、していた弓哉の両手をとって自分の部屋へ招く。
服もインテリアも、自分の好きなものばかり集めた場所に一番大好きな彼を揃える。
ベッドに横にさせた弓哉の、ちょこっと盛り上がったハーパンのフロント位置にゆっくりお尻を着地させる。
「あっ」
「うん……ゆーくんの、たってるね?」
「ぅ、ぅ……おれ……」
「おれもたっちゃった」
ソコに視線を向けた弓哉は一気に耳たぶまで火照らせた。
ローズピンク色のランジェリーを盛り上げるソレは……自分よりも大きそうで。
女子めいた容姿でありながら、ちゃんとしっかり下半身が育っているクラスメートに嫉妬が湧くやら興奮するやら。
「おれもね。ゆーくんといっしょ。ぼっきはするけど射精はしてないよ」
今日いっしょにできたらいいよね?
そう囁いてランジェリー越しに自分のソレをなぞってみせた伊葡己に、弓哉は、ごくっと喉を鳴らした……。
くちゅ、ぷちゅ、優しくしつこくキスされながら。
服越しに勃起したソレをなで、なで、されて。
「んーーー……っ……ぅ……」
ゾク、ゾク、して、何かがせり上がってくるような尿意にも似たムズムズした感覚に下半身を支配されて弓哉の腰は控え目に跳ねた。
「ゆーくん、でそう……? 射精できそ?」
「わ、わかんな……っいぶきぃ……こわい……」
涙目になって初めての射精を怖がる弓哉に伊葡己はキュンキュンした。
「こわがってるゆーくん、かわい。もっと、おれにだけ見せよ? みんなが知らないゆーくん、見せて……?」
ごそ、ごそ、服を寛げて、ちゃんと勃起している弓哉のソレを取り出す。
爪に黒マニキュアが施された五指を寄り添わせ、しゅっ、しゅっ、リズミカルにしごく。
「あーーーー」
しごかれた途端、弓哉は我慢できずに上擦った声を上げた。
ぎゅっと目を瞑り、よだれまで垂らし、一段と腰を揺らした。
かわいい、かわいい、ゆーくん。
ぜったい、ずっと、おれのもの。
もっといっぱいエッチなことして、誰も見たことないゆーくん、いっぱい独り占めする。
めちゃくちゃ感じている弓哉を見ているだけで膨れていく伊葡己のランジェリー。
アイラインで縁取ったような双眸がオトナ顔負けの欲に満ちていく。
「や、やだぁ……だめ……っ……いぶきぃっ……」
「だそ? 射精しよ? おれの手で精通して?」
何とも切ない感覚に体も心も射抜かれた弓哉は……射精した。
初めて先っちょから精なる液をたっぷり弾いた。
「ん……っっっ」
「あ、ゆーくん……っっっ」
弓哉の精通を目撃した伊葡己も、後を追って、精通を迎えた。
窮屈なランジェリーの内側でビクビクもどかしげにソレを痙攣させ、じわり、ローズピンクを欲深く濡らした……。
「ボール遊びの優勝おめでと、ゆーくん」
土曜の夕方。
高総体でフルに使い回されている総合体育館から重たげなスポーツバッグを提げて出てきた弓哉は苦笑した。
「優勝じゃない。まだ明日も試合あるって」
181センチで痩せ型筋肉質の体に学校指定のジャージを羽織り、短い黒髪を一撫でして。
西日に染まったエントランス広場で他校生徒の注目をビシバシ浴びていた彼の元へ。
「イブくんだ、ナマで見るの初めてなんですけど、超イケメンなんですけど」
「隣に来たコも何気にイケメンなんですけど」
「さっき試合してたよ、ポイントガードだった」
「優勝ご褒美にディナーご馳走してあげる」
「だからまだ優勝してないって」
ピアスやチョーカーは取り外されて以前よりもシンプルになった外見。
しかしながら184センチの高身長に優れた素材でオトナびたモノトーンの私服をさらっと着こなした彼。
もう女装しない、ランジェリーにも興味がない伊葡己は弓哉の肩に腕を回した。
「おあずけ、まだ続く?」
「高総体終わるまで試合に集中したいから、さ。ウィンターカップや新人戦のときだって我慢しただろ」
「みんなカッコイイって言ってたよ、ゆーくんのこと」
かわいいゆーくんは俺だけにしか見せたらだめだからね?
「重たいって、腕」
大小関わらず他校との合同練習だろうと球技大会だろうと、試合の度に男前ポイントガードとして注目され、毎回やきもちをやくクラスメート。
そんな恋人に毎回照れ隠しにつれなくする弓哉なのだった。
end
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