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おれたちバグズクラス!-2
バグズクラスは遠足行事が多い。
今日も参加希望者は徒歩でお花畑へ、ちなみに雨天の場合はビニールハウス巡りとなっていた。
「なにこのランチ、うそでしょ」
甘く香るお花に囲まれてお弁当タイム、子守の周りには揚羽君を始め多くのクラスメートがブンブン群がっていた。
「ランチっていうよりオードブルじゃね!? よく弁当屋がチラシでこーいうの宣伝してっぞ!」
「確かに蜜蜂の言う通り、このレベルなら商売始められるな、その際は俺に一声かけて頂きたいですねぇ、子守君」
「商売だなんて大袈裟だって、雀蜂。ほら、みんな好きなの食べていいからな! 足長はどれにする?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。はさみ揚げ、もらうな」
「ほらほら、黒揚羽も!」
「……レモンのはちみつ漬け一つもらう、子守、ありがとう」
みんなが食べる様を楽しそうに眺めていた子守。
その後自分は残ったオカズを片づけて、一息つくと、ベビーを胸に抱いてお花畑の中心から山の遊歩道へ、人気のない場所へ。
緩やかな傾斜に連なってつくられた石段に腰かけて我が子に笑いかけた。
「遅くなってごめんな、ごはんにしよーな」
「子守ぃ、ボクもぉ」
ぎょっとして振り返れば子守の真後ろに黄金がしゃがみ込み、物欲しげにおめめをキラキラさせているではないか。
「黄金、お前、いつの間に」
「子守のおっぱぃ、ちょーだぃ、です」
「あのな、黄金、保健室で言っただろう? 一回きり! そうそう他人におっぱいやれるかよ!」
保健室で一度だけ黄金に父乳を与えていた子守はいつになく厳しい口調でそう言い切った。
するとキラキラしていた黄金のおめめが瞬く間に涙でじわぁぁぁぁ。
「う」
「じゃぁね、今日で最後にするから、一回だけね、ちゅーちゅーしたぃの」
「あ~う~」
「おねがぃ子守ぃ」
「……あーもう! 今日で本当に最後だからなっ」
自分自身の髪をぐしゃぐしゃしながらため息交じりに言われた子守の言葉に黄金の顔はぱぁぁぁぁっとわかりやすく輝いた。
「わぁぁい」
「あ、ちょっと待て、先にこのコに飲ませるから」
「だいじょぉぶだよぉ」
「? 何が大丈夫なんだ?」
にこにこ笑顔の黄金は子守の乳首を指差してご丁寧に数えてみせた。
「いっこ、にーこ。ね? だから子守のおっぱい半分コできるよぉ」
マジか、黄金。
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