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残念(陰)男子にされたい(陽)男子-2

「先生に聞いた~。ちょっとお邪魔してい? 喉渇いちゃった、えへへ」 遠賀の訪問に驚きの余り朔は立ち尽くした。 その傍らを笑顔ですり抜けてダンボール箱だらけの室内に勝手にお邪魔する、今日出会ったばかりのクラスメート。 狂気すら感じる。 こいつ頭おかしいのか? 「まだ片付けしてないんだ。俺、手伝おっか?」 「や、やめてくれ、触るな、か、帰ってくれ」 「え、なんか言った?」 「か、か、帰ってくれ!!」 朔は久し振りに大声を出した。 次の瞬間、不慣れな発声にげほげほ咳をした。 「大丈夫!?」 精一杯出した大声をスルーして駆け寄ってきた遠賀に朔の苛立ちはピークに達した。 「さささ触るな!!!!」 差し伸べられた両手を思い切り振り払った。 ばちんと乾いた音が雑然としたマンションの部屋にいやに尾を引いて響いた。 「あ……ごめん」 次に遠賀の小さな声が静寂を震わせた。 「梶本君があんまりにも似てたから。嬉しくってついはしゃぎ過ぎたかも」 他人と目を合わせるのも苦としている朔は、その台詞の内容にほんの少し興味を引かれて、明後日の方向を向いたまま耳だけをそばだてた。 「う、生まれ変わりなのかなって、そう思えるくらい……そっくりで……あ、ごめん、泣く」 遠賀はグーにした手で目元をぐっと擦った。 「すごく大好きだったんだぁ」 それでもぽろりと頬に落ちる涙。 「……カラスの黒丸……」 か ら す の く ろ ま る こいつは人間の俺を黒丸とかいう死んだカラスに似ていると言いながら泣いているのか。 多分、ばかだ。 そして純粋なんだろう。 「梶本君……ぎゅってしてもいい?」 いや、やっぱりただのばかだ。 「黒丸ぅー」 ダンボール箱が散乱するリビングで死んだカラスに似ているからとクラスメートの遠賀に座った状態で朔は抱きつかれていた。 今日は厄日に違いない。 遠賀はまだ泣いていた。 ふわふわした、明るい茶髪のねこっけが朔の頬にずっと触れている。 制服越しに重なり合う温もりがいやにじんわり沁みて。 妙な緊張感に心臓がどくんどくん脈打っていた。 俺が黒丸の生まれ変わりなわけがない。 どう考えても計算が合わないだろう、ばかめ……。 「うわ」 いきなり遠賀が顔を上げたので朔は動じた。 涙で潤む双眸が間近に迫り、否応なしに動悸が増す。 「梶本君、俺、勃起しちゃった」 ほ ん と に ば か だ 「……ト、トイレ行け、早く」 「梶本君も勃ってる?」 お れ も ば か だ 「うううるさい、早く、早く退いてく、ぅっ」 ぐりっと、遠賀が股間に股間を押しつけてきた。 ズボン越しに熱もつ膨らみがぶつかり合い、摩擦されて、思わぬ刺激が生じる。 「きもちいいね、黒丸」 「くくく黒丸じゃない、ばか」 「梶本君、黒丸の生まれ変わりでしょ?」 涙目で、頬を夕陽色に染めて、遠賀がさらに擦り寄ってくる。 硬直している朔の黒髪をいとおしそうに撫でてくる。 ぐりぐりぐりぐり股間を押し付けるのをやめずに。 「ちょ、やめろ、本当」 「あーー……どうしよ、いっちゃう」 「うわぁ、ばかばかばかばか」 「くっ黒丸ぅぅ~~……!」 「俺はカラスじゃなぃぃい」 「は……っぁ……!」 最悪にも朔は遠賀が射精する一瞬を目撃してしまった。 ズボンもパンツも履いたままだったが、背筋をぶるっと震わせて、気だるそうに喉を反らして。 ああ、今いったんだなと、知りたくもないのに、わかってしまった。 「パンツ汚れちゃった」 「じ、自業自得だ」 「梶本君、梶本君は? 梶本君!」 「ちょ、ばっ、やっ、わぁぁ」 押しの強い遠賀は嫌がる梶本のズボン前を寛げてペニスを取り出した。 勃起しているため、ちょっと剥けかけた仮性包茎にぱぁぁぁっと目を輝かせる。 「かわいい」 素直な感想を口にして、かちゃかちゃと、自身のベルトを外したと思ったら速やかにパンツとズボンを脱ぎ捨てて。 同じ姿勢でい続けたため足が痺れて動けないでいる朔に再び乗っかってきた。 「梶本君のちんちん、俺のおしりにちょうだい?」

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