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残念(陰)男子にされたい(陽)男子-3

「は……!?」 「先輩とか兄ちゃんの友達にケツ貸せって言われて、貸した経験あるから、俺」 こいつの頭、緩すぎる。 自分の掌に唾液を纏わせ、朔の仮包茎を剥くようにしごいて馴染ませると、遠賀は膝立ちになった。 ぴとりと尻たぶの狭間に添えると、向きを調整し、そのままアナルへつぷりと捩じ込ませていく。 「ぁぁぁ……っ黒丸のちんちんがぁ……っ」 「ちちちっ違うっ俺は黒丸じゃっぁ、っひ」 朔の童貞、散る。 ぬるぬると温かく湿った肉壁に初めて包み込まれたペニスは手コキと比べ物にならない快感を覚え、カウパーをとぷとぷ吐き出した。 「梶本君のちんちんで俺のおしりいっぱい……」 遠賀は遠賀で、精液でべとつくペニスをふるふる震わせ、いとしそうに自分の腹を撫でた。 「黒丸の赤ちゃん……産めたらよかったのになぁ……」 意味不明すぎる素っ頓狂な台詞と共に朔にふわりと笑いかけた。 至近距離でそんな笑顔を目の当たりにした朔の背筋をびりびりと電流じみた刺激が駆け抜けた。 体の奥底が破裂するような危うい錯覚に、思わず、ぎゅっと目を閉じる。 「んーーーーッ!!」 遠賀もぎゅっと目を瞑った。 アナル内でびくっびくっと濃い目の精液を放出しながら小刻みに跳ねる朔のペニスに甘い眩暈を覚えた。 「はぁ……おしりにいっぱい……梶本君のちんちん汁……」 はぁはぁ息を荒げる朔に甘えるようにもたれかかると。 きゅっとアナルを締め、まるで搾り取るように肉の壁でペニスをしごきつつ、その唇にキスをした。 伸ばせるだけ舌を伸ばして口内の微熱を唾液と共に掻き乱す。 一生懸命腰を振って皮の剥けた亀頭が奥に当たるようにする。 ぬっちゃぬっちゃとナカで出された精液が捏ね回されて卑猥な音を立てた。 「あ……まだ硬いね……梶本君のちんちん……嬉しい」 「お、遠賀……」 朔の肩にしがみついて腰をくねらせていた遠賀は夕方のセックスでその顔を色っぽく歪ませながら、嬉しそうに、笑う。 「やっと名前呼んでくれた」 陰気くさい黒髪青白隈あり残念男子にぎゅっと抱きつく。 「うぁっ、足、足が痺れ……!」 「あっあんっあんっ……梶本くぅん……支えてくんないと……落ちちゃうよぉっ」 「むむむり、むり……いたたたた!」 どさぁっっ タガが外れた朔はぎりぎりのスペースに遠賀を押し倒した。 片足の痺れも忘れ、散乱するダンボール箱の狭間で遠賀のアナルを何度もがむしゃらにずんずん貫いた。 「あっそれぇっいい! おしりの奥までいい!」 「こっこのばか!! こっこんなとこで感じるなんて……っ!!」 「んひゃぁ! 梶本君のちんちんで……っ俺のおしりぃ……雌化しちゃぅの……!」 長い前髪を振り乱して朔は遠賀のアナルに膨張しきったペニスを打ち込む。 すごく気持ちがいい。 人が人とくっついて、凹凸を求め合うなんて、これまではなんか気持ち悪いと思っていた。 「梶本くぅん……! またちんちん汁らしてぇ……っ俺のおしりに種付けしてぇ!」 腰が止まらない。 遠賀の奥の奥まで俺のでいっぱいにしたい。 「はっはぁっはぁっはっ」 「んぁぁ~……かじっもどっくぅぅんっ……もっとぉ……!」 「俺の……っもっと……ほしいの……かっ?」 「ほしぃぃぃっ! 俺のおしりぃっっかじもどぐんのちんちん専用にするから、ぁ……!!」 自ら足をがばりと開脚し、結合部が丸見えになるような大胆ポーズをとった遠賀、激しくペニスが出し入れされているアナル付近を悩ましげに指でなぞった。 「せっ先輩もぉ……兄ちゃんの友達にも……っもぉ、貸さないから、ぁ」 「遠賀」 「くろま……ふぇ、違ったぁ……梶本君のぉ、ちんちんだけのぉ、おしりにぃ……今日からするからぁ……ひぐぅっ」 「お前」 「いっぱぃ、いっぱぃ……俺のおしりぃ、かっこいいちんちんで可愛がってぇ……えへへ」 遠賀は泣き笑いみたいな顔で朔にそう願った。 一人が好きで、他人と会話するのも視線を合わせるのも苦手だった朔は、頷いた。 「お、おれも……お前の専用に……なる……から……っ」 無我夢中で一心に遠賀のアナルを突いた。 遠賀は全身をびくびく痙攣させ、上体を倒してきた朔に縋りついた。 持ち上げられた両足が虚空でがくがく揺らめく。 「ぁっぁっぁーーー!! すごぃのくる、ぅ……こんなのはじめてぇ……あぁぁんっくるぅぅっっきちゃぅぅぅぅぅうーーーーー!!!!!」 がむしゃらなピストンに耐え切れず遠賀は射精した。 ほぼ同時に朔も遠賀へ中出し、した。 仰け反り気味に、密着させた腰をぶるるるっと波打たせ、熱いアナル奥へ精液飛沫を注ぎきった。 「あぁ……んっぁ……は……ぜぇんぶ……ちょぉらぃ……?」 遠賀は波打つ朔の腰を両足でホールドすると自らしぶとく腰を揺すってきた。 精液搾取に余念がない遠賀に、朔は、脱帽するのだった……。 ぽかぽかと暖かい校庭の陽だまり。 居着いている野良猫を撫でる朔を隣にして、遠賀は、何故か涙ぐんでいる。 「……猫アレルギーか?」 ぼそりと問いかければ首を左右に振り、日差しにきらきらとねこっけとピアスを輝かせ、遠賀は笑顔で答えた。 「黒丸もよく猫と一緒に遊んでたんだぁ」 ま た く ろ ま る 「……変わったカラスだな」 「うん!!」 ぴたりとくっついてくる遠賀。 羽に怪我を負っていたため保護し、やがて、元気に飛び立っていったカラス。 まだ存命しているかもしれないのに生まれ変わりだと信じ込まれている残念男子のため息は、校庭の隅、昼休みの日向に淡く溶けて消えた。

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