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残念(陰)男子にされたい(陽)男子-4
梶本朔と遠賀一紀は高校一年生の十六歳だ。
「はッ、はぁッ……はぁッ」
「ん~~っ……梶本君のちんちん、俺のおしりグイグイくるのぉっ、きもちい……っ」
昼休み終了まで残り僅か、人気のない旧校舎の隅っこの男子トイレ個室でクラスメート同士の二人はこっそり。
扉に縋りついた遠賀のアナルに勃起した朔のペニスがズブズブと抽挿されている。
使い込まれたアナルは朔のペニスを喜んで受け入れる。
使い込まれていながらも魅力的な締めつけでもって奥まで誘い込む。
「あんっ……ほんと、いいよぉ……っあんっ」
真っ黒な長い前髪が顔の約半分を覆い隠す朔はゴクリと唾を呑んだ。
明るい茶色に染められた遠賀のねこっけ。
室内灯を点けていない薄暗い空間で両耳のピアスが煌めいている。
狭い個室内で大胆に突き出されたお尻は掌によく馴染んで。
片手で自分のモノをシコシコしてナカの締めつけを加速させ、より手厚く朔をもてなそうとしている。
予鈴のチャイムが校内に鳴り渡った。
急がないと授業に遅れる、そんな危機感がまた興奮に追い討ちをかけ、朔はギリギリ歯を食い縛った。
「ひゃ……っん!!」
先日、遠賀に童貞喪失して以来、すっかりはまってしまった性行為。
お尻を掴み直して一心不乱に腰を振った。
「はぁッはぁッはぁッはぁッ」
もうでそうだ。
「ッ……遠賀、俺、もうッ」
苦しげに朔がそう言えば遠賀は肩越しに振り返った。
「中出し……っいっぱい、して……?」
それなりに整った顔立ちを切なそうに捩じらせて遠賀は朔を甘やかす。
甘やかされることに慣れていない朔はさらにぶわりと真っ赤になって。
男にしては柔らかなお尻にぐっと五指をめり込ませ、小さく唸って……。
「遠賀はどこ行った、サボりか~?」
先に教室に戻って五限目を迎えていた朔はギクリした。
色々と処理することがある遠賀に先に戻っていいと言われていた彼は「遠賀はトイレです」と言おうとした、しかし名指しで質問でもされなければとてもじゃないが授業中に率先して発言などできずに。
まるで「五分後に地球に隕石が激突します」とでも言われたかのように心臓をバクバクさせた。
ぐっとお腹に力を込め、ひんやりした机に預けていた片手を非常にゆっくり持ち上げ、いきなり乾き切って呼吸するのもままならなくなった唇をたどたどしく開き、教卓でため息をついている教師に「先生、遠賀はトイレです」と勇気りんりん状態で発言しようとした。
「せ、せ、せん、せんせ、」
「すみませーん! 遅れました!」
遠賀が戻ってきた。
トイレに行っていたと教師に言ってぺこりと侘び、ダッシュで自分の席に着く。
隣の席である朔ににこっと笑いかける。
「教科書なくした! 見せて!」
「遠賀~忘れたじゃなくて、なくした、とは一体全体どういうことだ~」
教師は呆れ、周囲は笑い、遠賀は朔一人にだけ笑顔を向け続ける。
机をガタゴト寄せてきた教室一明るいクラスメート。
『梶本君、黒丸の生まれ変わりでしょ?』
転校生・朔のことを友達だったカラスの生まれ変わりだと信じて疑わなかった変わり者。
「……ほんとにお前ばかだな、遠賀」
「えへへ」
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