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いつだってどうしようもない奴-2
裏山で蜩が鳴き始める夕方。
表からは車やバイクの走行音、誰であるか見当のつくご近所さんの咳払いや話し声がしていた。
「あつい……」
高校一年生の頃から二人はよくここへ来ていた。
夏休み、うだるような暑さにも勝る性欲に従って。
「ん、あついね、汗止まんない」
楽な普段着をずらして互いのペニスを汗ばむ利き手でしごき合う。
ただでさえ暑いのに体内の熱が増す行為に夢中になる。
二人とも兄弟姉妹がいて、母親は専業主婦で、二人きりになれる場所は近所でここくらいで。
いつの間に始まった幼馴染み以外の関係。
どっぷりはまり込んで互いに彼女ができても中毒みたいにやめられなかった。
「チンコ、べたべたしてる」
前髪をピンでとめた明日葉はだらしなく笑った。
「こーしたら涼しくなんじゃない?」
「ッ……おい、明日葉……」
Tシャツをべろんと捲り上げられて眉根を寄せた空也、そんな幼馴染みに一切構わず明日葉は笑んだ口元のまま汗ばむ肌に顔を寄せた。
「乳首も汗かいてる」
ぷくっと僅かに起立していた乳首をゆっくりゆっくり舐め回す。
「しょっぱ」
「やめろよ……」
「うん? 乳首攻め、好きでしょ?」
「好きじゃな……ッ」
急にぱくっと口に含まれて空也はぐっと唇を噛んだ。
視線の先で恥ずかしげもなく胸元にかぶりつき、ちゅぅちゅぅ、尖らせた舌先で突起を転がしながら吸い上げる明日葉に……怒るでもなく苦笑した。
「女みたいな扱いするなよ……」
突起の側面を細やかに舐っていた明日葉は上目遣いに空也を見つめた。
互いのペニスを纏め上げ、擦り合わせるようにしてしごきつつ、肥大した乳首に浅くカリッと歯を立てた。
「ッ……人の乳首噛むな」
「俺、普段は前戯すっ飛ばして即本番、クーヤは別格だよ?」
「ぜんっぜん嬉しくない……お前、それ、自分本位過ぎるぞ?」
「じゃあクーヤは? チカちゃんにたっぷり前戯してあげるんだ?」
今の彼女の名前を口にされて空也はやや萎えかけた。
そうはさせまいと、明日葉はより細やかに乳首を舐め攻め、ペニスをコスコスしごいてやる。
「ん……っン、おい……ッペース早いって……」
「あの微乳、いっぱい揉んで吸ってあげるの? こんな風に乳首ビンビンにさせてあげるの?」
「……明日葉」
「チカちゃんよりクーヤのが乳首感じてそ」
「明日葉ッ」
つい大声を上げた空也の唇に明日葉の人差し指がとまった。
「しー。お隣の坪井家に聞こえちゃう」
そう言ってその場にしゃがみ込んだ明日葉に空也は目を見張らせた。
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