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いんきゅばすれっすん/上級インキュバス三兄弟×へっぽこ下級インキュバス
魔界に住民票をおく下級インキュバスのノイズは一向に生気搾取がうまくいかずにお腹を空かせていた。
はぁ、どうやったらうまくいくんだろう。
いれるところまでなんとか進んだとしても「痛い!」って起きちゃって、みんなに騒がれて、搾取どころじゃないんだよ、ちぇっ。
ぼくっち、ヘタなのかしらん。
あっ! そぉだ!
あの人達にテク教わろうっと!!
「お願いします! 三兄弟様!!」
ノイズの目の前に並ぶのは上級インキュバス三兄弟。
人間界の高級ラブホ、昼は一般ピープルに混ざって気ままに日々を謳歌している三兄弟はベッドに悠然と腰掛け、顔を見合わせた。
「どうしましょうか」と、長男スラヴァは眼鏡をかけ直して首を傾げてみせる。
「ノイズ、搾取ヘタクソっぽいもんねぇ」と、関心のなさそうな次男クロウは舌ピアスを手鏡でチェックしている。
「てめぇはオツムがクソ弱ぇんだよ」と、全身トライバルタトゥーばりばりの末っ子エンヴィは華麗に舌打ちを決める。
上級オーラむんむんの三兄弟に土下座中のノイズはさらに畏まる。
「おっお願いしますぅ! ぼくっちもうお腹ぺこぺこで、こっ、この間×××から生気奪ったのが最後でっ、こんなんじゃ干乾びて死んじゃいますぅ!!」
褐色肌の小柄なノイズは確かにさっきから腹の虫を鳴らしっぱなしで。
紫色の吊り目に涙まで溜めて三兄弟に懇願を続ける。
「ぼくっちに搾取テク教えてつかぁさい!!」
三兄弟はまた顔を見合わせた……。
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