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びっちな君をあいしちゃう-7

とある日の放課後。 「バッチシじゃ? コレ完璧っしょ!?」 耳に複数のピアスをした間壁累(まかべるい)が爛々と目を輝かせてはしゃいでいる。 「髪、もちょっと下ろした方がいいんじゃねぇの」 黒髪に白のメッシュを入れた咥えタバコの柊一騎(ひいらぎいっき)がやたら細かなところにこだわりを見せる。 「じゃあ仕上げにリップ塗ろーね、委員長?」 指先を黒マニキュアで彩った一ノ宮憂灯(いちのみやゆうひ)に新品の色つきリップクリームで唇を念入りになぞられて。 他に誰もいない2Aの教室。 委員長を務める、聡明そうな双眸に銀縁眼鏡、端整な顔立ちの御堂史永(みどうふみなが)は不良トリオによる辱めに全身紅潮させた。 「い、嫌……こんなの嫌だ……」 放課後のセンター街へ寄り道した不良トリオ、彼らに引き摺られるようにして強制同行を命じられた史永。 平均をまぁまぁ上回る外見をした不良トリオが街中へ出れば同年代の視線が自然と集まる。 普段なら女子が過半数を占めるのだが。 今日は男子も多い。 何故かと言うと。 「ねーねー、委員長ってさ、おっぱいいくつ?」 「Aだろ。揉んでやったらBくらいにはなんじゃねぇの」 「掌におさまるくらいがちょーどいいよ」 ずっと累に肩を組まれている史永は始終うつむきがち、その足取りはひどく覚束なかった。 慣れないスカートのせいで心細いというか。 しかも極端に短くて心許ないというか。 史永は不良トリオに強制女装させられていた。 誰から借りてきたのか、自分達が通う名門私立の女子制服を着せられ、誰から借りてきたのか、アイシャドウやマスカラでメイクまでされて、この通りだ。 不良トリオよりも華奢な肢体に難なく似合う秋冬セーラー服。 上にはオフホワイトのカーディガン、か細い指先をちょこっと覗かせた萌え袖が男心をくすぐる。 ムダ毛無しの両足を覆うネイビーのハイソックス。 髪は普段よりも無造作に流す感じにして小顔ショートが決まっている。 「う、腕が……重たいんだが」 「その言い方、へーん。女子っぽくなーい」 「えっ?」 「せっかくかわいくしたんだから女子っぽくしてよ、委員長?」 そんなこと言われても。 上機嫌な累に肩を組まれてさらに歩きづらい史永、前を行く一騎と憂灯。 着いた先はハンバーガーショップだった。 注文を済ませて番号札を受け取ると色んな制服を着た十代男女が多い店内を進み、空いていたボックス席へ。 ずーーーっと累に肩を組まれていた史永はそのまま彼の隣に座ろうとした、すると。 ぐいっっ!! 「わ……っ?」 「ちょっとー、一騎パイセン、何すんですかー」 「パイセン言うな、タメだろぉが、つぅかいい加減貸せ」 「え、やだ、委員長は俺の隣だから」 「うっせぇ」 累と一騎に左右の腕をとられて、周囲の視線をビシバシ浴びて、さらにまっかっかになる史永。 「ほら、もう憂灯座っちゃってんじゃん、寛いじゃってんじゃん。三人並ぶのムリでしょ?」 早々とソファに詰めて座って紙ナプキンが入った箱を眺めている憂灯。 舌打ちした一騎は累から力任せに史永を奪い取ると。 「委員長はココな」 そ、そんな……。 一騎君の膝の上が僕の席なのか……? 女装委員長を膝上に座らせて憂灯の隣に落ち着いた一騎、不満そうな累が向かい側に座ればその隣は荷物置き場になった。 もちろん史永は落ち着くことができない。 この格好も周囲の視線も何もかもが恥ずかしい。 思わず内股になってしまう。 うるうるしてしまう。 そんな矢先にバイトと思しき男子店員が注文していた品を運んできた。 礼なんか一つも言わねー不良トリオに変わって、恥ずかしいものの、礼儀正しい史永はうるうるまなこでお礼を述べた。 「あ……ありがとうございます」 傍目にはチョイ柄の悪そうな不良男子の膝に無理矢理乗っけられてビクビク怯えている優等生女子、そんな史永にうるうる見つめられてバイト君、ぼふっと赤面してしまった。 何やらごにょごにょ対応して去って行ったバイト君。 その後が大変だった。 「おい、今お前、色目つかったろ」 史永はぎょっとした。 自分を膝に乗っけている一騎が……ぺちゃんこおっぱいを両手でむにゅっと揉んできたのだ。 「ッッ……や、やめてくれ、こんなところで」 周囲の客が顔を赤くして「なにあれ」「無理矢理ぽくね?」と言っているのが聞こえてきて、さらにさらに恥ずかしさが募る。 「俺ら以外のちんぽにもハメられてぇのかよ、なぁ?」 さらにさらに制服越しにぺちゃぱいをむにゅむにゅ揉み回す一騎、隣の憂灯や向かい側の累は注意するどころか、ポテトをぱくつきながら愉しそうに傍観している。 「い……いや……っ」 「イライラしたら腹へった、委員長、食わせろ」 「え……えぇ……?」 一番不良っぽい不良のくせに紛れもない甘えんぼうおねだりしてきた一騎。 胸を揉むのはやめてくれたが、お腹さすさす、でかい両手で擦ってくる。 くすぐったいし、これまた恥ずかしいが、拒むと何をしてくるかわからない。 史永はナゲットを一つ指先に摘まんだ。 真後ろに位置する一騎の口元へ恐る恐る肉片を運んでいく。 すると。 ばくっっ!! 「ッッ!!」 「ぷ。今の委員長の顔~、小ウサギかッ」 「もぐもぐ」 指ごとかぶりつかれて小動物さながらに反応した史永、向かい側でニヤニヤする累、委員長のか細い手首を掴んだままナゲットをもぐもぐする一騎。 「油ついてんな、キレーにしてやるよ」 ゴクリと呑み込むと顔を寄せ、油分でテカテカしていた史永の指をべろり。 周囲のテーブルから「ひッ」「うわ」と洩れた小さな悲鳴。 恥ずかしさで体の底がどんどん熱せられていく史永。 も、もう嫌だ、恥ずかしい、ここから今すぐいなくなりたい、帰りたい。 それなのに。 熱くて、熱くて。 感じてしまって。 濡れて、きて、しまった……。 「ぅ……ン……」 今にもはぁはぁしそうな様子で色っぽい声を滲ませた史永に不良トリオは顔を見合わせた。 「ビッチ委員長、発情中?」 「公衆の面前で興奮してんのかよ、さすが淫乱」 「困ったビッチ淫乱委員長だね」

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