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魔王が来たりて愛を囁き偽姫男が野蛮に嗤う-6

「ばぶ、ばぶ」 「はいはい、ママはここでちゅよ、うひひ、べろべろばー」 「ヘラヘラしやがって気色悪ぃ、とうとう脳みそイカレたか、お義母様?」 「あ、オペスっ、見て見てっ、俺のあかちゃん!」 「お前のガキ、つぅことは俺の弟か、随分と弱っちぃ見てくれだな、頼りねぇ」 「だってあかちゃんだもん、オペスはおかしなこと言うなぁ~、ね~よちよち、ほらほら、勇者様も見てください!」 「なんで俺にタメ語でオナホ奴隷には敬語なんだテメェ」 「わぁ、とても可愛いね、でも、え、えっ、あれれれれっ、君が産んだのかい、アッシュ……?」 魔王の息子どSオペスと、彼に主に性的にこき使われている奴隷勇者に囲まれたアッシュ、華やかな広間の中央で何とも仲睦まじく(?)語り合う彼らを余所に。 一人つまらなさそうに遠目に眺めている者がいた。 ラムシュタインだ。 自分をほっぽって赤子にばかり構うアッシュ。 最初は喜んだ第二子誕生、しかしだんだん面白くなくなってきた。 「あ、ラム! 早くコイツに名前授けてくれよ!」 アッシュってば、ひどい。 やっと我に気づいてくれたかと思えば、そんなこと。 「おーい、ラム? なぁなぁ、名前……」 どうしたら前みたいに我に夢中になってくれる? 我だけを見つめてくれる? 答えは簡単。 「あ、行っちゃった」 「気をつけろよ、お義母様」 義理息子オペスの忠告にアッシュはキョトンした。 「このコ、夜泣きもしないし、不思議なことにウンチもおしっこもしないよ? だから何にも気をつけることがない!」 「知るか。俺は忠告してやったからな」 「ねぇ、アッシュ、その、彼には気をつけた方がいいんじゃないかな、ラムシュタインには、あの魔王、何を考えてるのかさっぱりわからないから、いきなり何を仕出かすか、その」 「えっ? それって、え、ラムが自分のあかちゃんを、えっ、勇者様っ、それってどゆこと!? もっと詳しく!!」 「この城に囚われてる身の僕からは、もうこれ以上のことは、あ゛っ、痛い! いきなり鎖引っ張らないで!」 「おら行くぞ奴隷、俺らも本腰いれてこづくり励まねぇとな」 「これ以上本腰いれないで!大災害レベルの痔になる!」 首輪に繋がれた奴隷勇者を引っ張って去って行ったオペス、立ち竦むアッシュは二人の背中を呆然と見送った。 「ラムが自分のこどもを、そんなばかな……」 ………いや、ありうるかも、何せ魔王だし。 「ばぶ」 アッシュははっとした。 腕の中の小さき我が子を、かけがえのない温もりを大事そうに抱き直した。 「俺がちゃんと守るから」 ラムに敵うわけないけど。 いざとなったら命懸けで土下座してマックス命乞いするから。 「しっかしやっぱり名前ないと不便だよな」 こんな調子だったらいつまで経ってもラムの奴名前つけてくれないかも。 いっそのこと俺がつけちゃおうかな? 「ばぶぅ……」

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