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ぽっちゃり系君の○秘トレーニング-4
二日目の昼は森林体験レクリエーション時間、二学期につくるクラス新聞のテーマをそれぞれ各自で決めてネタを集めるという班活動となる。
もちろん教師たちは常に見回り、整備されていない地帯が広がるロープ外側には決して出ないよう、生徒たちにはあらかじめ言い聞かせてあった。
見回りのふりをして有原、またよしお君の班に同行しようとした。
「有原先生、昨日からよし君のこと、構いすぎじゃないですか? ばんごはんのときも玉ねぎ切ったりして、おれ、見てました」
澄んだ眼差しで正論をぱきっと唱える班長時宗、他の班員はおろおろ、肝心のよしお君はというと。
「おいし~チョコバーおいし~」
溶けかけチョコバーに夢中だ。
「行こう、よし君?」
「ふぇ? あれぇ、有原せんせぇはいっしょ行かないの?」
超年下の時宗に反論できずに立ち尽くす有原をきょとんと見たよしお君だったが。
クラスメートの時宗に手を引かれるがまま有原の元を去って行った。
そうだな、年の離れた教師よりクラスメートと一緒にいた方が楽しいに決まっているよな。
宿泊施設の建物内で束の間休憩していた有原。
今日の天気予報は快晴のはずだった。
しかし。
突然のどしゃ降り。
「よし君が見つからないです」
生徒たちはびしょ濡れになって戻ってきた、たった一人を除いて。
「池のそばで虫や花のスケッチをしてました、そしたらいつの間にかよし君がいなくなっていて、みんなで探していたら、雨が……」
携帯していたレインコートから雫を滴らせて報告する時宗に教師たちは顔を見合わせる。
通り雨のようだし、この大雨がいくらか静まったら探しに出ようかと話し合っている矢先に。
暴走体育教師、単身で傘も持たずに外へまっしぐら。
やっぱり同行すればよかった、よしおにつきっきりでいればよかった。
全速力有原はあっという間に時宗班がしばし留まっていた池周辺にやってきた。
パーカーのフードをかぶっただけの有原、雨の怒号に負けじとよしお君の名前を大声で呼び、辺りを大股で何度か行き来すると。
ロープの外へ華麗に身を翻した。
舗装されていない雑草、石だらけの地面を滑るように駆け抜け、常に名前を呼び、何か痕跡はないかと四方に目を凝らす。
そこへ。
「…………せんせぇ~…………」
「よしお」
「わぁ~せんせぇ、びしょ濡れぇ」
「お前、何があった」
「ふぇ? 何もないよぉ? あ、この木の実がおいしかったから、いっこ食べて、にこめ食べて、さんこめ食べて、そしたらぁ、雨が降ってきたぁ」
木の実を食べるのに夢中になっていつの間にロープの外へ出ていたよしお君はこの洞穴で雨宿りしていたという。
「そうか、無事でよかった」
全身雨に濡れた有原の姿に、自分が何かとんでもないことをしたのだと察したよしお君、泣き出してしまった。
「せんせぇ、ごめぇん、ごめんなさぃ」
「よしお」
「ふぇぇ、せんせぇ、死んじゃやだぁ」
死にはしないが寒い。
びしょびしょになったパーカーを脱ぐと、有原、まだ泣いているよしお君の手をとって洞穴の最奥へ向かった。
土くれの上に座り込むと、よしお君も座らせて、背中から抱きしめる。
あったかい。
あまり雨に濡れていないよしお君のもちもち肌で暖をとる。
ああ、この感触、幸せだ。
「ふぇぇ……だいじょぉぶ? せんせぇ」
「大丈夫だ、心配するな」
ざあざあ雨音が響いている。
まぁまぁ奥行のある洞穴の暗がり、滝みたいに出入り口を流れ落ちる雨、まるでカーテンみたいだ。
外とこの洞穴奥を遮断するかのような。
「ふぇ?」
有原の濡れた手がシャツの内側に入ってきたので、よしお君は目を丸くした。
おっぱいをもにゅもにゅ優しく揉み込まれる。
「ふにゃ、せんせぇ、ここでトレーニングするのぉ?」
「嫌か?」
ぽっちゃり胸をもみもみもみもみされて、さっきまで泣いていたよしお君はくすぐったそうに笑った。
「うぅん、いいよぉ、有原せんせぇ」
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