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たまゆらみすてりぃ-3

まるで海に溺れるように数多の男に次から次に抱かれる。 求めた肉棒に美味そうにむしゃぶりつきながら神聖であるはずの秘孔に別の肉棒を欲深く咥え込む。 夜通し繰り返される浅ましき交わり。 絶えず揺れ動き、喰らわれ、喰らい、己の悦びに明け暮れる……。 「久しぶりの味……」 誠一郎に跨った彼は妖しげに笑う。 板間に脱ぎ散らかされた服。 全ての肌を曝した二人の下肢はあられもない熱を孕んで熱く濡れ渡っていた。 密孔に潜り込んだ誠一郎のペニス。 予想を遥かに超えた狂おしい締めつけに歓喜し、雄々しく荒ぶり、かつてない脈動を刻んでいる。 「せいいちろう……いいよ……我をもっと悦ばせて……?」 眼鏡を払い落とした彼は誠一郎の真上で律動した。 恐ろしく艶めかしく揺らめく腰。 細やかに蠢く肉襞にすっぽり包まれ、巧みに擦り上げられ、さらなる逞しさに漲る雄茎。 「ッ……凪叉」 「せいいちろうの、このイチモツ……熱くて……硬くて……我の奥で暴れてる……」 誠一郎の腹に両手を突いて腰を捻り回しながら彼はうっとり笑った。 「お前の子種……たっぷりおくれ……?」 どうして凪叉はこんなこと。 どう考えたって日頃のお前とは結びつかない。 でも、お前は、凪叉でしかない。 ……お前も俺と同じだったって、そう考えていいのか? ……自分をこんな風に偽ってでも、俺とこういうこと? あるまじき非日常を脳内で都合よく整理した誠一郎は呻吟した。 真上で動き続ける彼の真っ白な太腿に五指を食い込ませ、短く歯軋りし、仰け反った。 「あ」 びゅくりと弾けた雄飛沫。 激しく痙攣するペニスから求めていたソレが溢れ出て凪叉は弓なりに背筋を反らす。 「あーーーー……きてる……我のなかぁ……もっと……もっとちょぉだい……?」 「う、あ、っ」 「足りない、もっと、もっとほしい、産みたいの、お前の子」 まるで看板に書かれていたあの内容と同じような……。 「立派な子を我に孕ませて、せいいちろう」 疑問も違和感も取っ払い、今、凪叉と交わっていることだけに集中することにした誠一郎は。 その場で彼を押し倒し、肩に両足を担いで屈曲位に移行し、今度は自分も一心に律動した。 自身の精液でぬかるむ密孔にペニスを小刻みに打ちつける。 硬度を保った肉棒で悩ましげに蠢く尻膣を突くだけ突きまくる。 「あ……強い……逞しくて……もっと奥まで突き上げて……」 「ッ……お前のことずっとずっと……好きだ……凪叉……ッ」 「ん、我も……せいいちろう……ずっとずっとお前のものにして……?」 飾り天井に描かれた神々に睨まれた彼は舌を出して笑った。 「……あれ、ここ旅館? いつ戻って……?」 お堂で気を失った凪叉は旅館で意識を取り戻した。 「あれ、俺、どうしたんだっけ……もしかして熱中症で倒れた?」 すっかり夜の帳が下り、冷房が程よく効いた部屋で布団から身を起こした凪叉に誠一郎はペットボトルのお茶を手渡して寄り添った。 「そんなとこかな」 「わ……ごめん、迷惑かけちゃったね」 凪叉は何もなかったことにしたいんだ。 じゃあ俺もそうする。 誰でもないお前のために。 「別にいいよ。腹は? 空いた?」 誠一郎がそう問えば、枕元に置かれていた眼鏡をかけ、凪叉は首を傾げた。 「お腹いっぱいみたい、俺、寝ながら何か食べてた?」 「素晴らしいレポートだったよ、凪叉君」 夏休みが終わって後期日程が始まった。 課題を提出したその翌日、講義が始まる前に保平に早速捕まった凪叉。 「素晴らしいレポートが出来上がったのは登田君のおかげです」 「ふぅん。登田君の方は文才に長けてるねぇ。途中、何やら官能小説でも読んでる気分になったよ」 学生のおしゃべりで騒がしい講義室前方で評価された誠一郎は肩を竦めてみせ、凪叉の隣から足早に離れると窓際の席に一人さっさと着いてしまった。 凪叉は相変わらずのノロノロぶりながらも彼の後を追って隣に座る。 窓側に視線が偏りがちな友人の横顔をチラリと気にする。 登田君、最近、ちょっと様子が変だ。 レポート旅行の後半から何だか余所余所しい。 俺、よっぽど変な寝言言ってたのかな。 「ふわぁ……」 最近、やたら就寝時間が早くなった割に眠気を引き摺っている凪叉は講義が始まるまでちょっと仮眠しようかと頬杖を突いた。 「なぁ、〇〇海にいきなり島できたんだって」 「それって近くで噴火があったとか?」 「その形跡はないらしいけど」 前の席に座る学生の会話が子守唄となって、うつらうつら、凪叉はたまゆらの眠りに落ちていく。 「せいいちろう」 講義が始まって集中していたはずの誠一郎はその呼び声に前方のホワイトボードからすぐさま視線を切り替えた。 隣で寝かかっていたはずの凪叉が、いや、彼が薄目がちにこちらを見つめていた。 「ちょうだい?」 新しい命を産み落としたばかりで胎の空虚を持て余した彼は誠一郎に次の種を強請る……。

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