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鬼門なあのコ-2
「あ……そうなの?」
「だから圭、祥太君のこと、よろしくね」
カレーライスを黙々と食べている祥太の隣で圭は軽く凍りつく。
次の日、ほぼ同じ時間帯、圭は祥太と二日目のカレーを二人きりで食べていた。
「二日目、おいしい」
祥太がぱくぱく食事を進めているのに対して圭のスプーンは虚空に止まりがちだった。
なんだか上の空だ。
空中にふわふわ舞う塵でも見ているような眼差しだった。
ラグの上に寝転がった祥太がテレビを見ている間、後片付けをしつつ、圭はカウンター越しに声をかける。
「風呂入ってさっさと寝ろよ、祥太」
圭の母親は祥太の母親が月一の夜勤だとかで、今晩、うちに泊めると言ったそうだ。
息子の圭にとっては傍迷惑な話である。
「んー」
六分後。
洗った食器をちゃんと拭き終えてリビングに行ってみれば祥太はソファですぅすぅ眠っていた。
圭の頭の中には否応なしに一昨日の出来事が蘇る。
『風邪引くぞ、ばーか……』
間近に見下ろしてみれば柔らかそうな腹だった。
捲り上がっていたシャツを正すつもりで伸ばした手は温かな肌をなぞって。
無防備に開かれていた小さな唇に唇をそっと重ねた。
……あ、俺って、そうなんだ。
変態なんだ。
今までわかんなかった、やばい、犯罪者じゃん。
祥太は鬼門だ。
「圭はほもなの?」
今現在の祥太がもぞもぞと起き上がって、見事凍りつく圭の前で、ソファに座り直した。
「きすしたよね?」
「……お前、あん時、起きてたわけ?」
「んー」
祥太は感情の読めない淡々とした表情で圭を見上げる。
「圭、おれのこと好きなの?」
昨日、自分を見つけるなり、女の子の友達からさっと離れて駆け寄ってきてくれた祥太に胸がきゅーーーーんとなるくらい、好き、な、ようだ。
圭はいつもの癖でため息を噛み殺す。
「あー……うん……そうだな」
つけっぱなしのテレビに視線を泳がせて圭はかっこわるく告白した。
すると祥太は。
「おれも圭が好きだから、じゃあ、両思いだ」
え、今、なんつった?
聞き返す前に、ソファの上に立ち上がった祥太から、ちゅっとキスされた。
六分後。
「ふ……くすぐったい……」
くすくす笑う祥太は黒のポロシャツを捲り上げられて胸元を露出していた。
圭はその柔らかな腹を一心に舐めていた。
ああ、なにこれ、味するわけないのに、おいしい、うますぎる。
ずっとずっとずーーーーっと、ぺろぺろしていたい。
祥太のこと、舐め尽くしたい。
「んっ」
圭のぺろぺろが乳首に及ぶと、祥太は笑いを引っ込め、ぴくんと丸み残る体を震わせた。
それはそれは丁寧に、しつこく、圭は祥太の乳首を舐め回す。
交互に唾液をたっぷり馴染ませ、ぷにぷに突起をびちゃびちゃにする。
ちゅうちゅう吸ったりもした。
「あ……圭のべろ……いっぱい動いてる」
ソファに仰向けになった祥太は背伸びでもするように喉を大きく反らした。
伸び気味の前髪が目に入りそうになって、ぱちぱち、瞬きする。
すべすべほっぺたはみるみる赤くなってうっすら林檎飴の色に。
子供特有の高めの体温に触れていたら圭の下半身は瞬く間に発情した。
ツンツンし始めた乳首を飽きもせずにぺろぺろしながら、圭は、履きっぱなしの制服ズボンの中に手を突っ込む。
「祥太、お前、目、閉じてろ」
パンツをずり下ろして先端に触れてみればもうぬるぬるしていて。
ぬるぬるを広げるように、先っちょを、親指の腹で引っ掻き回す。
舌端にこりっと触れる尖りを突っつくのと同時に自分の勃起ペニスをしごく。
「……圭、ぼっきしたんだ」
「……だから、見るなって」
「おれにいれてもいーよ?」
「……今、なんつった?」
「圭はおれにいれたくない?」
ずっと乳首につきっきりだった圭はやっと顔を上げた。
祥太は眠たそうな、とろんとした目で、圭を見つめていた。
……鼻血が出そうです、神様。
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