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元気と神経質のけみすとりぃ-2
「はふ……ぅ……んっ」
ネクタイやブレザーを整然と身につけたままの利人は眼鏡越しに薄目がちに宗太郎を見つめた。
他人と唇を重ね、舌先で唾液を交換するなんて、宗太郎以外の人間であれば確実に、吐く。
だけど宗太郎なら許せる。
隙も油断も見せられる……。
「もっと……、っ」
「ん……っ? なに、利人?」
お嬢様だったママによく似た目元を淡く濡らし、日焼けしにくい白い肌を紅潮させ、利人は睨むように宗太郎を見つめて強請った。
「もっと……してほしい、キス」
宗太郎は満面の笑みを。
「うん、利人、もっとキスしよ?」
ぎし……!
上段ベッドでうっすら翳る布団の上に利人を寝かせて宗太郎はくちゅくちゅと水音滴るキスを続けた。
「ふぁ……ね、利人……っ」
「んぅ……な、んだ……」
「俺……もぉ、こんな……だよ?」
執拗に舌端を擦らせ合いながら、宗太郎は、利人の白い手を自分の股間へ導いた。
グレーのズボンの向こうで掌を押し返してくる熱く硬い膨らみ。
宗太郎は利人の手に自分の手を上から重ね、強めに愛撫させた。
「は、ぁ……きもちいい……」
ふにゃりと子供みたいに笑う宗太郎。
十七歳男子がまるで七歳児の顔つきだ。
股間に息づく昂ぶりは立派なものだったが。
「利人もよくしてあげるね」
「……ぁ、っん」
互いに制服越しにペニスを撫でまくる。
口元を唾液ではしたなく濡らし合いながら、ずりずり、ごしごし、擦り上げる。
服の上からだと多少乱暴にしても痛みはなく、ただただ、気持ちがいい。
「ん……っもっと……チンコごしごしして、利人」
「……こう……か?」
「あっそれ、ちょぉどいい……っほら、利人のも……っ」
「はぁ……っぁ、……」
しかしあんまりそれを続けるとパンツを汚してしまう。
「……ね、利人……」
「……なんだ?」
「俺、シックスナインしたい」
利人は宗太郎をじろっと見つめた。
「……やっぱりだめですか?」
宗太郎はまるで飼い主に「待て」と命じられたワンコのように利人の顔色を窺い、聞き慣れない初々しい敬語でおずおず問いかけた。
学校や家ではクールビューティーな利人は、少女漫画のヒロインの如く、きゅーーーーんと胸を高鳴らせる。
決して表情には出さなかったが。
「……今日だけだ」
ぽつりと吐き捨てられた台詞に宗太郎の顔はぱぁぁぁぁっと輝く。
尻尾があればぶんぶん振りそうな様子でそっぽを向いている利人に抱きついた。
「やったぁぁぁ! 好き好き! 利人ぉ!!」
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