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おふろでえろって/大学生×中学生/いとこおにしょた

夏休み、バイト先が盆休みに入り、大学生の聡也(さとや)は実家へ帰省せずに田舎にある祖父母の家へ遊びに行った。 「あ、聡也兄ちゃん……」 偶然にも祖父母の家には従弟の(ゆず)が聡也と同じように一人で泊まりにきていた。 一昨年の夏も二人はここの離れで一週間を共に過ごした。 誰にも言えない、秘密の時間を。 夕食を終え、後片付けをし、聡也は風呂に入った。 田舎の和風家屋だからといって、五右衛門風呂といった風情あるものではなく、至って一般的な浴室だ。 水を溜めた浴槽に夏の熱気で火照った体をざぷんと浸からせる。 「はー……きもちいい」 思わず独り言が出てしまう。 外に面する曇りガラスの向こうでは虫達が鳴いていて、時々、近隣で飼われている犬の鳴き声も聞こえてきた。 冷たい水の中で聡也がぼんやりうとうとしていたら。 からら…… 裸になった柚がおずおずと浴室に顔を覗かせて尋ねてきた。 「聡也兄ちゃん……一緒に入ってもいい?」 内気で引っ込み思案な柚の問いかけに、聡也は、揃えた五指をひらひらさせて「おいで」というジェスチャーをしてやった。 柚は嬉しそうに顔を綻ばせて入ってきた。 来年で高校生になるはずだが、華奢な体つきで、普段その後ろ姿は少女に見えなくもない。 柚はレモン香るボディソープで体を洗い、ちゃんと髪も洗って、綺麗にすると。 聡也が浸かる水風呂にちゃぷんと入ってきた。 「一昨年ぶりだな」 「……うん」 レモンの残り香漂ううなじを目の前にして、聡也は、その双眸を意味深にすぅっと細める。 「お前、あの時話してた先輩とはどうなったんだ?」 「……えっと」 「付き合ったんだろ?」 「うん、付き合ったけど……でも、すぐ別れちゃった」 「え?」 「だって……先輩、優しかったけど、かっこよかったけど……でも」 「でも?」 聡也の足の間で体育座りした柚はぽつりと呟いた。 「聡也兄ちゃんとの……あの一週間が忘れられなくて」 一昨年の夏、離れで過ごした一週間。 聡也と柚は毎夜不埒な夜更かしに溺れていた。 時には白昼、祖父母が出かけている間、大胆に密事に耽ることもあったのだ……。

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