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昔々、浦島は助けた亀と……?/浦島青年×擬人化別嬪亀

「浦島様……浦島様……」 村外れの小屋で一人暮らす年若い浦島はぱちりと目を開けた。 万年床にて起き上がり、目元を擦りながら声のした方を向いてみれば。 「お休みのところ、ごめんくださいませ」 月明かりと海鳴りを背にして戸を開く者がいる。 浦島は目を凝らして問いかけた。 「こんな夜分にどちら様ですか?」 「私、お昼に貴方様に助けられたものです」 「えっと、記憶にないです、はい」 「村の子供たちにひっくり返され、棒切れで叩かれていたものです」 「……」 「私、あの時の亀でございます」 長い髪には珊瑚の髪飾り。 濡れたようなしとやかな肌に張りつく白っぽい浴衣。 華奢な腰から覗く朱色の帯。 黒目がちの大きな双眸、紅を引いたような唇が嬉しそうに綻ぶ。 「おわかりになられましたか?」 裸足で畳の上に上がると寝床で呆然としている浦島の元まで可憐な笑顔でやってきた。 「私、亀の小宇羅(こうら)と申します」 「え、あ、うん」 「助けてくれた恩返しをと思い、浦島様を竜宮城へご案内して差し上げます」 「りゅ、りゅう……?」 「ええ、さ、行きましょう」 小宇羅の細腕がするりと浦島の片腕に絡む。 「さ、浦島様?」 小宇羅は漁村暮らしの浦島が今までに見たこともない見目麗しい顔立ちをしていた。 「か、可愛い」 「えっ?」 「りゅ、りゅう何とか? そんなところへ行くより、僕は、君が……ほしいんだけど」 浦島の唐突過ぎる告白に小宇羅は真っ赤になった。 恥ずかしそうに口元を袖で隠し、視線を下に向け、口ごもる。 「ご、ごめんね、突然、こんなこと」 「い、いいえ、嬉しいのです、ただ……」 「ただ?」 私、雄なのです。 「えっ?」 赤面しつつも小宇羅は恭しい手つきで浴衣の裾をぴらりと開いた。 そこには見慣れた白い褌が。 薄い布地の下には浦島と同じ男性器が息づいていて。 「お……お許しくださいませ、浦島様を……がっかりさせてしまって」 「……いや」 いいよ、全然いいよ、むしろいいよ、即オッケーだよ、うん。 二十代現役バリバリの逞しい浦島に押し倒されて小宇羅は「きゃっ」と小さな悲鳴を上げた。 捲れていた裾を慌てて元に戻して足を閉じてしまう。 「あれ、恩返し、してくれるんだよね?」 浦島の問いかけに、小宇羅は、はっとして、こくんと頷いた。 ぎこちない動作で、恐る恐る、閉じていた足を開いていく。 浴衣の裾はまたも乱れて純白の褌が浦島の視界に曝されていく。 何だこれ、めちゃくちゃエロいんですけど。 「お……お好きなようにしてくださいませ、浦島様……?」 「あ……んっ、うらし、ま様ぁ……」 仰向けになった小宇羅の褌をやや引っ張り上げ、雄肉にはりついた布地を、浦島は丁寧に舐めていた。 上下に、強めに、弱めに、優しく。 浦島の唾液だけでなく、小宇羅自身から溢れた先走りも、白い布地に染みを広げていて。 「あぁ……ごめんなさい……っボク……はしたなくって……」 「私」から「ボク」に一人称が変わった小宇羅は涙目で股下の浦島を見る。 一人意気揚々と先走って素っ裸になっていた浦島は、今更大人ぶって首を左右に振ると、小宇羅の褌を解いた。 「……あ」 外気に勃ち上がる小宇羅の雄肉。 か弱い外見に似合わず、それは、極々一般的サイズにあった。 乱れた浴衣に見え隠れする華奢な肢体に熱く硬く息づく雄そのものの隆起。 うん、やっぱりエロい。

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