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血迷いラプソディ-6
畳の上だと痛いだろうから布団を敷いた。
鈴宮をその上に横たえて、剥き出しの足を開かせ、その間に腰を下ろす。
曝された性器にそっと手を伸ばした。
「んっ」
やんわりと握った瞬間、鈴宮はピクンと震えた。
くすくすと笑って俺を見上げてくるので俺も笑い返す。
ああ、乾いた手で触ったら痛いだろうな。
テーブル上に放置していたハンドクリームを掌にたっぷり出して、馴染ませ、再び握った。
軽く強弱をつけて幼い性器を揉み込む。
親指と人差し指で輪をつくり、棹を通し、上下に動かす。
「んっんっ」
華奢な太腿がぷるぷると痙攣する。
親指で尿道を擽ると頼りない腰が跳ねた。
「ごめん、痛かったか?」
「……ううん、平気」
小さな双球を掌で転がし、指の腹で後孔をなぞっていたら、爪先が浅くめり込んだ。
「ぁ…ん」
「指、入れてもいいか?」
「うん……入れていいよ……入れて? 先生の指……」
反らした中指をゆっくりと窄まりへ埋めていく。
ある箇所に届いた途端、鈴宮は全身を打ち震わせた。
ここか。
前立腺を探り当てた俺は鈎型に曲げた指でそこに刺激を送った。
同時に、性器を緩々と撫で擦る。
「ぁっぁっ…そこ…気持ちいい…」
「どれくらい気持ちいい?」
「…すごく…いっぱい…」
布団の上で足を開いて身を捩じらせる鈴宮を見下ろしているだけで、正直、痛いくらいに勃起した。
小さな体と同様、自分も発汗している。
鈴宮につられてこちらの息も自然と上擦ってきた。
後孔へ差し入れた中指を浅く出し入れしてみれば先走りが零れる。
ハンドクリームの滓と混ざり合って俺の指に絡みついてきた。
「ぁ…はぁ」
少しつらそうだ。
とりあえず一度出させた方がいいかもしれない。
俺は硬くなり始めた鈴宮の性器を扱き、中指による刺激を彼の体内でやや強くした。
「やぁ…ぁ、出ちゃう…出ちゃう…」
放精を促すように、根元から先端にかけて絞るように扱き立てた。
「あぁぁ…やぁぁ…っ」
少女めいた甲高い声を上げて鈴宮は白濁を放った。
「……先生……」
艶めくグミの唇が俺を呼ぶ。
吸い寄せられるように、俺は、その果実に口を寄せた。
「ン」
上体を前に倒して鈴宮に口づける。
すると鈴宮の腕がするりと俺の頭に回されて、キュ、としがみついてきた。
ああ、何て可愛いんだろう。
何て甘い果実なんだろう……。
柔らかな果肉を味わいながら、俺は、自分の下肢に片手をやった。
デニムのホックを外してファスナーを下ろし、すでに力んでいた隆起を取り出す。
白濁に濡れた鈴宮の性器に近寄せて、腰を使い、擦りつけた。
「ン!」
鈴宮はびっくりしたように目を丸くした。
「これ…この硬いの、先生のチンコ?」
「ああ」
「すごい、ガチガチ…」
下肢に寄せられた鈴宮の手がおっかなびっくりに俺の隆起に触れてくる。
う、やばい。
たどたどしい愛撫は思わぬ快感を煽って却って暴発を招きそうだ。
「鈴宮、ちょっと待て……」
興味津々に触れていた鈴宮の手を一端遠ざけて、俺は、白濁を小刻みに吐き出す鈴宮のものと自分自身を重ね合わせ、片手を添えた。
「あ…擦れてるよ、先生のと…」
「……先生も、このまま出していいか……?」
「ん…いいよ」
俺は鈴宮にまたキスをして、添えた手を動かした。
性器同士が擦れ合って溢れた白濁が溶け合う。
繋げた唇の合間でも唾液を交互に交わして、舌で舌を弄くった。
「ふぁ…ん…ッ…ふ」
自分で言うのも何だが、成熟したペニスと、鈴宮のいたいけな性器が擦れ合う様は視覚的にもクるものがあった。
下顎へと垂れた唾液も舐め上げて互いを無心に扱く。
「く……」
腰元を戦慄かせて俺は達した。
「んんん…!」
迸る俺の白濁に下肢を濡らした鈴宮も、再び、先端から飛沫を上げる。
連続した絶頂に肌がうっすらと赤く染まっていた。
丸裸ではない、ぶかぶかのシャツを着ている状態が妙にエロくて……。
ああ、駄目だ。
一度達しただけじゃあ収まらない。
つい、名残惜しげに鈴宮の性器を愛撫してしまう。
生温く滑るそれは俺の手の中で精液を未だ切れ切れに吐き出していた。
「先生…」
「……ん?」
「ちょっと…起こして…」
俺は鈴宮の脇腹に両手を差し入れて身を起こした。
胡坐をかいて膝の上に小さな体を抱き上げ、向かい合う。
「鈴宮」
鈴宮は俺の肩を片手で掴んで、少しばかり正面の距離をおくと、一度の射精では物足りずに屹立したままの俺の隆起に自分の後孔を宛がって……。
「んっ」
ぐちゅっ。
自ら身を繋げてきた。
「おい、鈴宮……」
「先生の…っ大きいね、オレの中…全部入るかな…」
二重の双眸が薄目がちに俺を見つめてくる。
ああ、眩暈がする。
胸を掻き毟りたくなるほどの締めつけと鈴宮の健気さにどうにかなりそうだ……。
「無理……するなよ?」
俺の言葉にこくんと頷き、鈴宮はさらに腰を落としてくる。
途中まで俺の隆起を身の内に呑み込ませると彼は大きく息を吸い込んだ。
「先生の…オレに入ってる…硬くて、熱い…なんか…安心するよ」
動き方を知らない鈴宮はそれ以上の行為に及ばす、また、ぎゅっとしがみついてきた。
「先生…先生…」
か細い声で俺を呼ぶ。
「先生…動いて…?」
「力、抜いて、鈴宮?」
優しく耳元でそう声をかけ、あやすように未発達の体を抱き締めた。
双丘へと両手を回して下から鈴宮を支える。
「ん…ぁ」
ズズ、と俺の隆起がまた彼の中へ。
途中、収縮する内壁にカリ首を引っ掛けつつも、肉のせめぎ合う奥へ進んでいく。
「ぁん」
そして俺の隆起はすべて鈴宮の中へ。
「入ったよ、お前の中に……」
「ほんと…? 全部?」
「ああ、全部……」
いくらか腰を引いて、また、昂ぶりを押し上げる。
それを何回かゆっくりと繰り返した。
「先生の…出たり入ったりしてる…」
鈴宮は体のみならず声も吐息も熱かった。
俺も彼と同じですべてに熱が行き渡っていた。
上下運動が前立腺を掠めると鈴宮は胸を反らして身悶える。
俺の肩に小さな爪を立てて快感と痛みに耐えている。
あまりにも愛しいその姿に興奮した俺は強めに彼を揺さぶった。
「あっやぁ…」
鈴宮が切なげに悲鳴を零す。
しまった、と思い、つい動きを止めると、鈴宮は俺の首筋に頬擦りして声を上げた。
「やだ、やめちゃ…だめ、せんせ、ぇ、やだぁ…やめないで…」
「鈴宮」
俺は動きやすい体勢に移行した。
布団の上に鈴宮を仰向けにして、その傍らに両手を突き、腰を動かす。
「あぁぁ…せんせぇ…」
笑顔でいてほしいと思いながら、こんな表情をさせて、その切なげに捩れる様に見惚れて。
人間失格だな、俺は。
でも、それでも俺はお前のことが。
「オレ、日向先生のこと好きだよ?」
「鈴宮」
「あと海老も好きでしょう?」
「好き!」
「じゃあ剥いてあげますね、鈴宮君のために」
「鈴宮が食べる海老は俺が剥きますって、清見先生」
ある日の週末。
俺の部屋で夕方前の早い時間に鍋をつつく。
招かれざる客の清見先生は取り皿の上で器用に茹でた海老の殻を剥いていて、鈴宮は白菜をはふはふ言いながら食べていた。
「私、鈴宮君のことなら何でもわかりますよ」
そう。
そうなのである。
清見先生は俺と鈴宮が体の関係をもったことを末恐ろしいまでの観察力で見抜き、俺に耳打ちしてきたのだ。
「秘密にして差し上げますよ、日向先生?」
鈴宮君の愛らしさが理解できる同胞がいてくれて嬉しいのですよ、私は。
前々から何となく予感はしていましたがね、先生?
「日向先生の海老も剥きましょうか?」
「……いえ、俺は結構です」
これって、弱みを握られているっていうやつなのかな。
まぁ、鈴宮が平気なら別に……。
「ほら、あーんして下さい、鈴宮君?」
「それは駄目です!」
***
好青年かと思いきやとんだ猫被りの食わせ者。
まともそうに見えて実は不健全な人間が一番怖いものです。
「海老、おいしい!」
まぁ、鈴宮君が幸せならいいか。
海老の尻尾はきっと齧っただけで残しますよね?
それが頂けるだけで十分ですよ、私は。
***
オレ、鈴宮理壱。
十一歳。
小学校五年生。
好きなもの。
体育の授業。
友達と遊ぶこと。
給食。
大好きな人、日向先生!
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