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双子チェンジ!!-4

その頃、通常の授業が行われている草介の方は。 「タケくん、授業さぼっちゃお!」 昼休みあっという間に終わっちゃったよ~。 タケくんずっともぐもぐしてたからあんまり喋れなかった! もっと色々しゃべりたい。 ナマケモノ癒し系なタケくんと触れ合いたい。 一日限定の<入れ代わりごっこ>だもん、全力満喫したいもん! 「葉月が。授業、さぼる。一度もない」 「今日の葉月はいつもの葉月じゃないんだよ」 「……うん」 「ね。どっかさぼれる場所ないっ?」 もうすっかり葉月のフリを放棄している草介に問われて武友が連れて行った先は。 運動部専用のロッカールームだった。 体育館棟は改築されたばかり、真新しい室内はシャワー室完備、綺麗に整理整頓されていて運動部特有の匂いもしない。 午後の授業が開始されてバスケットボールの弾む音が聞こえてくる。 もちろん照明はオフにしていた。 天井際の窓から穏やかな日差しが届いている。 「タケくん、新しいカノジョはっ? できたっ?」 ベンチに並んで座るや否や小声で尋ねてきた草介に武友はフルフルと首を左右に振った。 「もったいない。タケくん、モテそーなのに」 「モテない」 「モテるって! かわいいもん!」 身長186センチの運動部エースの武友はこれまで葉月にも他の友達にも「かわいい」なんて言われたことがなくて、キョトン、した。 「ほら! その顔!」 「葉月。声が」 「あっ。ごめんごめんっ」 草介は慌てて両手で口元を覆うと武友を見上げて照れ笑いを浮かべた。 今日の葉月は本当に空元気だ、と、あまり<空元気>という言葉をちゃんと理解していない武友は思う。 カラカラしていて、元気いっぱいで。 普段の葉月は大人しくて言葉少なめで、自分と似たようなのんびりペースで、そっと寄り添ってくれる、だから一緒にいてとても落ち着く。 今日の葉月はぴょんぴょん飛び跳ねるみたいに自分の周りを忙しげにグルグルしっぱなし。 とても楽しそうで見ている自分も楽しくなってくる。 見慣れない茶色の髪がキラキラ眩しくて目が離せなくて。 かわいいと思った。 「ん?」 自分の口元にあてがっていた両手を武友にゆっくり退かされて草介はパチパチ瞬きした。 「ね。葉月」 「なーに?」 わざとらしいくらい声を潜めて悪戯好きなこどものように無邪気に笑って顔を近づけてきた草介に。 武友はちゅっとキスした。 まだ誰の感触も知らなかった純潔の唇に。 さすがやはり双子。 ほぼ同じタイミングで初キスの味を知ることになった。 うっっっそ? オレ、タケくんと……ちゅーしてる? え、なんで? え、まさか。 タケくんと葉月って、つ、付き合って……る? そんなんひとっことも聞いてないぞ!!?? 「んっっ!」 ぬる……と口内にやってきた舌先に草介はビクリと背筋を震わせた。 驚きが勝って初キスの実感もまだ湧いてこないというのに、べろちゅー。 わ。わ。わ。 ど、どうしよ、どうしよぉ。 でもここで嫌がったりしたら。 葉月じゃないってバレちゃうかも。 付き合ってる二人のカンケー、壊しちゃうかも。 草介はぎゅうっと目を閉じた。 武友と葉月の関係が崩れないよう、今は身を任せるしかないと、そう決めた。 すると。 「ん、ン、ん、ンっ……ぅぅぅぅっ」 あの葉月がタケくんと、男同士で。 こ、こんなえろいちゅーしてるなんて。 葉月ってねこかぶりだったんだぁ……。 ぴちゃぬるなキスを続けられて草介は顔面隅々まで真っ赤にし、全くどうしていいのかわからずに金縛りに遭ったみたいに固まっていたのだが。 喉奥で怯えていた舌を絡めとられて。 ぬる、ぬる、武友の舌とゆっくり擦れ合う羽目になって。 何とも言えない口内摩擦にゾクリして思わず崩れ落ちそうになった草介の背中を支えた武友の手。 二人の隙間をなくすように抱き寄せて。 微かに震えている体を両腕の輪の中にすっぽり閉じ込めてキスを続けた。 「ん~~~……ッ」 ……男のタケくんに初キス奪われちった……。 授業中の体育館から様々な音が聞こえてくる静かなロッカールームで武友にえっちなキスを繰り返される。 そうこうしている内に頻りにもぞもぞやり始めた草介。 たっちゃったのだ。 意外なくらいにディープな武友のキスに下半身が素直に反応して、ムズムズ、ジンジン、体の底が熱せられて、恥ずかしいけど、かなしいかな、どうにもできない。 「あ」 今まで座っていたベンチにそっと押し倒されて草介は「~~~っ」と言葉にできない悲鳴を洩らした。 体重をかけずに彼に覆いかぶさった武友は。 ちゅっと、耳元にキスをして。 幼稚園でとった手形は一番大きかった、今もクラスで一番大きな手を草介の盛り上がった股間へ。 「っっっ」 童貞きゅんを容易くすっぽり包み込まれて草介は腰付近をビクリと痙攣させた。 「葉月」 え、どうしよ、ちょ、待って、葉月は、こんなの、どうやって。 「すごい。かたい」 「あ……っ、タケく、っんっ」 「あつい」 「や……っあっあっ……ふぁっ」 「でる?」 ゆっくりゆっくり、どでかい掌で制服越しに股間をスリスリされて草介は腰ビックンが止まらない。 それに、ちゅっ、ちゅっ、耳元や首筋に何回も軽いちゅーをされて、くすぐったくて、ゾクゾクも止まらない。 女子と手を繋いだこともない、性体験がおなにーしかない、初心な草介には何もかもが悶絶必須な刺激ばかりだ。 「……タケくんっ、オレっ……でちゃぅぅ……」 今は武友に縋るしかなく、童貞全開赤面涙目になって自分に覆いかぶさる彼にしがみついたものの。 「じゃあ。チンコ。出すね」 「ぇぇぇっそれはぁっ」 「服。汚れるから」 どっちも嫌で「ぅ~ぅ~」呻吟する草介にさり気なく頬擦りし、武友は、制服ズボンのファスナーに手をかけ、きっちり下まで全開にした。 「ぅ~~っ」 こっぱずかしくてぎゅーーーっと目を閉じて全力でしがみついてくる草介の童貞きゅんを前穴から取り出す。 勃起して独りでに皮が剥けてツルンな先っちょがお目見えしている。 恥ずかしがり屋な敏感性感帯がどでかい掌にむにゅっと押し包まれる。 さらにムキムキされて、括れのカリ首ごと、シコシコされる。 「あ~~~っ」 童貞きゅんを武友にシコシコされて草介は釣り上げられたばかりのお魚みたいにブルブル痙攣した。 タケくん、タケくんに、チンコしごかれてる、すっごく優しくシコシコされてる。 き、き、きもちいい。 すぐいっちゃいそう。 でも、このままいっちゃったら、タケくんの手が……。 「うぅぅぅう~~~っ」 「葉月。ガマン、しないで」 「でっでも……っあっあ……ふぅぅぅッ」 「いいから。気にしないで。だしていいよ?」 鼓膜のすぐそばで聞こえた武友の声音に追い上げられた草介は「うぐぅぅぅ~~っっっ」と喉奥に悲鳴を詰まらせて。 びゅ…………ッッッ 「うーーーーーーッッッ」 あ。 でちゃった。 射精しちゃった。 タケくんに……いかされちゃった、オレ……。 初めて他人の手で達した草介、おなにーとは全然違う絶頂感に下半身を貫かれ、狭いベンチ上でよだれまで垂らして余韻に溺れていたら。 「……いっぱい。でた」 武友の利き手が童貞きゅん汁で濡れているのを薄目がちに見、はたと我に返った。 「ッ……うわぁ、ごめ、ごめんっ、タケくんっ」 汚しちゃった、タケくんの手、どうしよう、拭くものはっ、ああっ、ハンカチないし、ティッシュはっ、ティッシュないのっ? ロッカールームの隅っこにあったティッシュボックスは視界に入らず、武友の片手にぶっかけてしまってあわあわ状態、てんぱった草介は。 「ごめんっ、ほんとごめん、タケくん……!」 武友のどでかい手についた自分の童貞きゅん汁をべろん、した。 「うわぁッ、まずいッ」 「葉月」 「ああっでもっオレのだしっオレがきれーにしないとっ」 自分のどでかい手を必死になってべろべろする草介の姿に武友は釘付けになって、ぽつり、呟いた。 「今日の葉月は。いつもの葉月じゃ。ない」 結構前に自分が口にした言葉を今頃になってオウム返しした彼に草介は目を見張らせた。 「さわって? 葉月……?」 あ、あれぇ……? ナマケモノって……肉食だったっけ……?

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