437 / 596

ハピハロmyダーリン/リーマン×コスプレ乙女系大学生

リーマンの成沢義彰(なりさわよしあき)には大学生の冬野守(ふゆのまもる)という恋人がいる。 「ヨシくん……ほら、猫、可愛いね」 猫が大好きな、ちょっと大人しい、どこか天然っぽいふわぁっとした冬野。 これまで成沢が付き合ってきた相手は自分に似て明るく、アウトドア派、聞く音楽は誰もが知っているその年の流行モノだった。 でも冬野は違う。 自分とは異なる趣味、ほぼインドア、たまに散歩に出かけては猫を見つけると携帯でぱしゃり、ダウンロードされている曲は聞き慣れないアーティストのものばかり。 成沢はそんな年下の恋人にこれまでの恋愛経験において一番はまっていた。 おっとりした性格は一緒にいて居心地がいいし、苦手だったものが食べれるようになったくらい料理も上手だし、天然っぽいながら意外と気配りも利いているし。 「ヨシくん……オレ、初めてなんだ」 冬野にとって成沢は初めての恋人だった。 成沢は冬野の初めてを壊れ物でも扱うように優しく奪った。 それでも冬野はとてもつらそうで。 そのとき成沢は思ったのだ。 冬野にあまり無理をさせてはいけない。 セックスはなるべく控えよう、と。 そんなこんなでハロウィンに至る。 どんなに欲望に突き動かされようとキス一つで我慢し、禁欲生活を続けていた成沢はパリピが騒ぐイベントなどほぼスルーし、テイクアウトのチキンとパンプキンケーキで健全に過ごすつもりでいたのだが。 「ヨシくん……オレ、これ、似合う?」 非情な残業を終え、両手に荷物を抱えてアパートに帰宅した成沢を出迎えたのは、合鍵で先に部屋に入っていた恋人の冬野だった。 なっんの前触れもなかった、何一つ聞かされていなかったコスプレ女装姿で乙女系大学生はリーマン彼氏を待っていた。 「ヨシくんのために……着てみたんだけど」 誰が見ても一目瞭然なザ・メイドコスプレ。 黒と白で統一されたカラー、盛られたフリル、かなりのミニ丈で丸出しの太腿を飾るは黒いガーターストッキング、フレンチ袖に二の腕まで覆う手袋。 オマケに頭にはネコミミカチューシャ。 「やっぱり……男だから似合わない……よね?」 上目遣いにちらっと寄越された視線。 ほんのりぴんくに染まったすべすべほっぺた。 天然ぷるぷる唇がきゅっと結ばれる。 そんな冬野を前にして、荷物をどさっと玄関床に落とした成沢は、思った。 あ、俺、もう我慢むりだ。 今日は冬野といっぱいセックスしよう。

ともだちにシェアしよう!