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桃色吐息らばーず-2
「ぼく、かわいい?」
お姉ちゃんが時間をかけて念入りにするより、昂君自身が数分でぱぱっとやったメイクの方が……かわいかった。
なんて言えばいいんだろう、自然っていうか、馴染んでるっていうのかな?
ボクより背が高い昂君に、ちっちゃいお姉ちゃんの服はぴったりで。
ミニのワンピースに、太腿まである長い靴下が、とっても似合っていて。
天然茶色の長めのねこっけがいつもよりふわふわして見えた。
「……うん、かわいい」
「ほんと? どれくらい?」
「えっと……クラスの女子より……お姉ちゃんより」
「潤太君のなかで一番かわいい?」
ボクは昴君と二階にあるお姉ちゃんの部屋にいた。
昂君がボクの手を引いてここまで連れてきたのだ。
ピンクとかオレンジとかかわいい色で埋め尽くされた、甘い匂いでいっぱいの部屋にすんなり溶け込んだ昂君は。
グロスでつやつやした唇をボクの口に押し当ててきた。
甘い匂いをすぐ近くでかいだボクは頭の奥がぼぉっとして。
どうしたらいいのか全然わからなくて、黙ってじっとしていたら。
くちゅ……と小さな音を立てて、昂君の舌が口の中に……。
「ん……ふぅ……ん」
くちゅくちゅ、ちゅぷちゅぷ、昂君はもっと音を立てて舌を動かし始めた。
大きなハート型のクッションに二人で並んで座っていたのが、向かい合わせになって、膝を突いた昂君がボクの肩に両手を乗っけてきて。
「ん……ん……ん」
キス、してる。
ボク、昂君と、キスしてるんだ。
「す、昂君……、んむ」
「んっ……ン」
昂君がしがみついてきた。
ボクより背の高い昂君を支えきれなくて、ボクは、クッションの上に倒れてしまった。
昂君は離れない。
体ごと乗っかってきて、ずっと、キスを続ける。
ぬるぬるした感触に頭の奥がもっとぼぅっとした。
止まらない、くちゅくちゅ、ちゅぷちゅぷ。
体育の授業のときみたいに体が熱くなる。
「ぷは……」
やっとキスをやめた昂君とボクの間に透明な糸がぷらんとぶら下がった。
女の子な昴君は、さっきチークはつけていなかったはずなのに、頬をほんのり赤くしていて。
「好き……」
「えっ?」
「ぼく、潤太君のこと……好きだよ」
「えっ!」
「潤太君はぼくのこと……好き?」
これまでで一番きらきらして見える昂君。
ああ、体が、すごく熱い。
息ができなくなっちゃいそうだ。
苦しくなったボクは女の子な昂君を押し倒した。
体のなかを巡る血液が沸騰したみたいな気分で、今まで感じたことのないそわそわした、がまんできない気持ちに支配されて。
「す……っ好き!!」
そう叫んでボクから昂君にキスした。
「ん……っふ……ぁ……じゅん、た、くん……っ」
「はふ……っんむ……んくっ」
「ん……もっと……いっぱいキスして……」
ぴちゃぴちゃ、ぬるぬる、くちゅくちゅ、くっつけた舌と舌でいっぱい音を鳴らした。
口元がどんどん濡れていく。
全然、気にならない。
ただ昂君とずっとずっとキスしていたい。
「ん……んんっ……ふぁっ!?」
ボクは目を丸くした。
昂君の、靴下に包まれた膝がボクのあそこに当たったかと思うと。
ぐりぐり、ぐりぐり、された。
「っす、昂君?」
「……勃ってる、潤太君」
「あ……ご、ごめん、ボク」
「ううん、ぼく、嬉しいよ……?」
ぼくに潤太君のおちんちん見せて?
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