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続・raspberryな恋人-3
七階建てアパートのこざっぱりとしたワンルーム。
合コンを一次会で切り上げた藤耶と、同僚との飲み会を終えた智弘が、部屋の明かりも点けずに靴を履いたままキスに夢中になっていた。
玄関床には智弘の通勤鞄とスーツの上着が落っこちている。
その中に埋もれるように藤耶の部屋の鍵も落ちていた。
「ん……っもっとぉ……あっくぅん……」
酔った智弘のいつにもましてとろんとした声と眼差しに藤耶は滾る。
頻りに角度を変えて唇ごと唾液で濡らし、わざとくちゅくちゅ音を立て、より興奮を高める。
膝頭で智弘の股間をぐりぐりしたり、自分の股間を押しつけて服越しにいやらしく摩擦させ合ったり。
ワイシャツ越しに指の腹で乳首を転がしたり。
「あ……んっ……ちくびぃ……舐めて……っ」
智弘のお願いを藤耶はすぐ叶えてやる。
ワイシャツのボタンをいくつか外し、邪魔なネクタイを胸ポケットに突っ込むと、合わせ目を限界まで開いた。
外気に零れ出た可憐な突起に熱烈な口づけを注いだ。
「や……っきもちいい……」
智弘は後頭部をドアに押しつけて身悶えた。
もどかしげに彼のベルトを外した藤耶は、その勢いでホックとファスナーも蔑ろにする。
スラックスがすとんと足元に落ちた。
片方の乳首だけ激しくしゃぶりながら、ボクサーパンツ越しに、智弘のペニスを愛撫する。
一枚の布を隔てて尻の狭間を指先で執拗に擦り上げる。
「あ……っもぉ……へんになっちゃう……あっくん……」
朝は綺麗にセットされていたはずの茶色の髪をしんなりさせ、智弘は、甘い目元を敏感に発熱させた。
「も、いれて……?」
「……馴らさないと」
「やぁっ……今すぐほしい……」
あっくんのおおきいのちょーだい?
「……靴、脱がないと」
藤耶は両手で智弘の顔をそっと固定して発熱した目元をぺろっと舐めた。
掌にじんわり伝わる熱が心地いい。
鼻先もちょっと舐めてみたら、智弘は、舌先に噛みつく素振りをしてみせた。
「意地悪、焦らしてる」
「……靴、履いたままします?」
「……ん……しよ? いっぱいしよ……」
もしも升野さんが俺と同じことをしたら。
一日くらいかけて制裁するかもしれない。
「ごめんなさい、升野さん」
藤耶はもう一度謝って智弘の唇にちゅっとキスした。
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