494 / 596
トモ活しちゃう?-9
もちろん樫井はお肌の調子を気にするようなタイプじゃあなかった。
「か、か、樫井ぃぃ……これぇ……挿入 ってるの……?」
遮光カーテンに閉ざされた樫井の部屋。
暖房が効き始めの冷気が残る室内に繰り返される、何とも卑猥な、音。
ぬちゃ……ぬちゃ……ぶちゃっ……
「ひぃん」
樫井のベッドで素っ裸にされた凛空はビクビク仰け反った。
健やかに育った裸身の下に敷かれた大判のバスタオル。
両足は抉じ開けられ、不慣れな体勢を強いられて。
ローション塗れになった凛空のアソコに……同じくローション塗れになった樫井のブツが……がっつりINしていた。
「挿入ってる」
「う、う、うそぉ……うそだぁ……」
凛空と同様に全裸の樫井は気だるげに唇を歪めた。
途中まで窮屈ぬるぬるな仮膣に沈めたペニスで、ぐり、ぐり、腹側を引っ掻いた。
「んぅぅっっ」
未だかつてない初感覚に凛空はまたビクビク。
お尻をいぢられるのは初めてだった。
初めてにして……ぶっつけ生本番突入、指でちょっとばっかし解されたかと思えば準備万端状態のペニスがグイグイやってきて、ローションの滑りを借り、あっという間に挿入にまで至った。
「い、い、痛ぃぃ……」
「こら、足閉じるな」
同性とは未経験だが後ろ攻めの経験はある、誠にけしからん樫井、凛空の両膝を掴むなり、さらに左右へ抉じ開けた。
尻孔を拡げ、もっと奥に、ペニスを捻じ込んだ。
「やっっ……樫井ぃ……っっ」
樫井とセックスしちゃってる。
樫井のチンコが、お、俺のアソコに……挿入ってる、行ったり来たりしてる、俺のナカ突っついてる。
「ふぅ、う、ぅぅ、う……」
片腕で顔を隠した凛空は横を向き、ぐっと唇を噛んだ。
痛い、痛い、変だ、きつい。
でも。
樫井のだって思うと、体中熱くなって、胸がざわざわしてくる……。
「……一端、抜くか」
自分の腕の下で凛空は忙しげに瞬きした。
「ぬ、抜かないで、樫井ぃ……」
「……」
「あっ、待っ、動いちゃだめっ、動くのは禁止っ」
「……誰が生殺しになんかされるか」
「っ……ひッ……ひぃ~~……っ」
小刻みにペニスを出し挿 れされた。
初拡張で窮屈極まりないながらも、ローションのおかげで、思いがけない深さまでズボズボされた。
「っ……っ……っ……!!」
樫井に突き上げられて抵抗もできずに凛空は身悶えた。
「今までのツケ、これで帳消しにしてやる」
好きな無愛想男子に処女を奪われて押し寄せてくる痛みの波に恍惚が紛れ出し、全身が切なくなってきた頃に、その台詞。
片腕をぎこちなく退かしてみればすぐ真上に樫井の双眸があった。
「ママ活しようとしても、お前の顔が浮かんで、お前にメールしてた」
途切れない涙で霞む視界に八重歯を覗かせて笑うクラスメートを見つけた。
「どうしてくれんだよ、幸村……」
「はぁっ、はぁっ……樫井ぃ……ごめ……」
「割に合わないトモ活になんかハマらせやがって」
「っ……ぅ……む……ぅ……ぅ……っ……っ」
上体を落とした樫井は凛空にキスした。
我慢できなくなって、凛空は、樫井にぎゅっとしがみついた。
「っ……重……」
「ぷはっ……樫井の、チンコぉ……すっごぃ、おれのなかぁ、きてる……」
「ん……もっと奥まで挿入れてやる……よッ」
「わぅぅっっ……ほんと奥まで……っ……こんな無愛想チンコ、だめっ……樫井のチンコに、おしり、だめにされるぅぅ……っ」
とうとう根元まで突き立てられたペニスでお尻奥を掻き回され、執拗に小突かれて、涙ながらにハァハァ喘ぐ凛空に。
絶頂目掛けて加速しつつ火照った耳たぶギリギリのところで樫井は告げた。
「俺のこと風よけにするの、お前だけ特別に許可してやってるんだからな……? 有難く思えよ、幸村……」
樫井って、樫井って。
俺のことめちゃくちゃにする。
頭も体も樫井にめろめろめろめろにされる……。
どうしても一眼レフのカメラがほしい樫井は冬休み限定でバイトを始める予定だという。
「コンビニ? 午前中から夕方まで? ずっと?」
「明後日から可能な限りシフトは詰め込んだ」
じゃあ遊べないじゃん、樫井のケチ、金の亡者ぁ……。
今にも「クーン……」しそうな様子でしょんぼりした凛空に樫井は言う。
「夜にちゃんとお前の相手して気持ちよくさせてやる」
「っ、別に俺ソレだけじゃない、どこか遠出して遊びいったり、初詣行っておみくじ引いたり、出店でたこ焼きとか焼きそば食べたりしたかった! 初日の出浴びながら追いかけっこしたかった! 樫井と!」
「最後の意味不明だぞ」
八重歯をチラ見させた樫井に頭をぐしゃぐしゃ撫でられて凛空は「キューンっ!!!!」とテンション爆上げになる。
ナイショな恋仲レベルのトモ活に互いにどっぷりハマり合う二人なのだった。
end
ともだちにシェアしよう!