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SATURDAY,JUNE ☓☓ at ☓☓ PARK-11
こんなに気持ちいいのは初めてだった。
「允、すごい……」
うわ言みたいに洩れた槇哉の呟きに允の心身はこれでもかとムズ痒く掻き立てられた。
二人は二階の部屋に移動していた。
乱暴に閉められたカーテンの隙間から大分和らいだ日の光が差し込む中、パイプベッドの上で、一向に衰える気配のない秘密の興奮を分かち合っていた。
「奥、マキちゃんの当たって……俺の腰とまんない……」
允は裸になって仰臥する槇哉に跨っていた。
腹に両手を突き、ぞんざいに腰をくねらせ、自分の奥で強く脈打つ彼のペニスを全身で感じていた。
ギッ、ギッ、ギッ、ギッ、規則的に軋むパイプベッド。
後孔を深々と貫く肉芯を軸にし、前後に腰を揺らめかせ、病みつき必然の摩擦を強める。
疼きっぱなしの内壁でみっちり挟み込み、念入りにしごかせた。
「ッ……!」
これみよがしに動く允の真下で槇哉は堪らず仰け反った。
シャープな線を連ねる頤、波打つ喉骨が視界に強調されて、允は我慢できずに上体を倒す。
「んっ……允……」
首筋から下顎、口元にかけてべろりと舐め上げた。
「それ……くすぐったい……」
「俺、変態みたい……? ヒく?」
「ううん……ただ……すごいヤラシイ……」
「ヤラシイ? そ……? あのコに乗っかられたことなかった?」
「……」
頬を上気させ、霞んだ目をしながらも咎めるような眼差しを浮かべた槇哉に、正直なところ允はゾクゾクしてしまう。
「正常位ばっかだった……?」
「……」
「バックは? そーいえばどこでシてたんだ? カノジョんち? マキちゃんち、おばちゃんや来海 ちゃんいるもんな……」
「おい、允……」
しっとり汗ばんだ槇哉の顔を両手で愛しげに挟み込み、上擦る声で允は問いかけた。
「中出し、した?」
不躾な問いかけに槇哉は。
目の前にあった允の鼻先を強めにぎゅぅっと摘まんだ。
「ふがッ」
「お前、なんでそんなこと言うの……」
温和な性格である槇哉の滅多にない「お前」呼びに允のゾクゾク度は密かに倍増する。
「マキちゃんがどんなセックスしてたのか気になっただけ」
允自身は、数人の相手と回数を重ねていく内に「痛み」に性的興奮を覚えるようになっていった。
快感に身体的な痛みを上乗せされる分、虚しさを忘れることができたから。
独り善がりの精神的苦痛から一時解放されたから。
でも、もう、今は。
「俺は、そんなこと、過去なんか気にしない……今、ここにいる允のことしか考えられない……」
半開きだった允の双眸が不意に張り詰めた。
「あ、マキちゃ……」
二人の間に潜り込んできた槇哉の利き手が、速やかに膨れ上がっていった允のペニスに届いた。
「……こんなに濡れるんだ、允の……」
クチュ、クチュ、溢れ出るカウパーを絡めて愛撫されて允はブルブル仰け反った。
「だッ、め……っ……っ……あ、ぅ……マキちゃんの手、きもちいい……」
自らも腰を振って過激な愛撫を強請る。
節くれ立つ手にがむしゃらに擦りつけた。
「どんどん濡れてく……」
一際濡れそぼつ尿道口を親指でやんわり弄られて允は堪らずボロリと涙した。
「あ、ぁ、っん、ンっ、っ、イイ……っ」
「允、場所、変わろ……」
「あ……っっっ……ひ、っ……あ、あ、っ、ぅ、っ、ぅっ」
先程、うっすら馬鹿にしていた正常位に移行された。
槇哉のペースで突かれ始め、同時にペニスをしごかれて、シーツにいくつもの皺を刻んで允は身を捩じらせた。
「あ、あん、んっ、んっ、っ……マキちゃ……おれ、もぉ……射精 そ……ぉ」
「うん……」
「マキちゃんも、おれに、射精 て……」
自分に向かって腰を振り仰ぐ槇哉に心からお願いした。
「……マキちゃんにナカまでマーキングされたい……」
「なんでナカにシてくんなかったんだよ」
窓の外はすっかり宵闇に浸されて夜の入口に差し掛かっていた。
「マキちゃんのビビリ」
節約のためクーラーの代わりに扇風機を点け、すぐ真ん前に座り込んだ允の言葉に槇哉は苦笑した。
「それはマナーだろ。男女関係なく」
「俺はほしかったんだよ」
「一回目でそんなことしたら歯止めが効かなくなる」
上下とも着衣を済ませ、ベッドに腰掛けていた槇哉の膝にボクサーパンツ一丁の允は頭を乗っけた。
「歯止めなんか必要ない、マキちゃんの好きにしていい」
内心、槇哉は「う」となったが。
裸の肩を擦って「もうしてる、とっくに」と答えた。
幼馴染みと和解した。
和解だけじゃ留まらず、付き合い始めた。
允の気持ちがわかった今、過去のことなんか気にしない。
そのつもりだった。
「君がミツル君の幼馴染みのマキチャン、か」
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