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いぢめさせて平凡くん?-4

「ハレルのえっちぃケツいじめさせて?」 抱き寄せられたかと思えばお尻を触られた。 触られた、というより、揉まれた。 もみもみ、ぐにぐに、両手で満遍なく撫で回された。 「あ、あの~? 西條くん、えっと、やりすぎっ、やーりーすーぎっっ」 イヤガラセの一環としてしか捉えられない晴樹は顔面を真っ赤にして喚いた。 「もう嫌だってっ、いーやーだっっ……先生に告げ口するぞっっ……こ、こんなことして……何が楽し、っ、んぶ……っ……んーーーーー……っっっ!!??」 喚いていたら西條にキスされた。 高校一年生にして、男子トイレの個室で、災い扱いしているヤンキー相手に初キス喪失に至った。 「んっんっんっ……ぅぅぅ……っ」 マイペースにも程がある西條にぶっちゅぶっちゅキスされて、胸キュンするわけがなく、ただただ驚愕していた晴樹であったが。 「っ……っ……んぶっ……っ?」 相手の舌でいっぱいになった口内に生じる違和感に眉根を寄せた。 なんだこれ? 飴玉? 石コロ? 西條くん、口の中に日頃から石コロいれてるの? 武器にでもするの? そんなの怖過ぎない? もちろん口の中に石コロなど入れているわけがなかった。 西條は舌にタンピアスを開けていた。 日頃、斜め下ばかり向いてメンチを切ったことがなかった晴樹はまるで知らなかったのだ。 さすがの平凡男子も途中で気がついた。 歯列や舌先に触れる異物の感触にじわりと涙する。 こちらを全く顧みない荒っぽいディープキスは苦しいばかりで、しかも同時に紐パンお尻を激しくもみもみされまくって、恥ずかしさがマックスに達した。 「ぶはっっっ」 やっとこさ解放された唇。 あんまりな非常識っぷりに文句を言おうとしたら、いきなり両手でぎゅっと顔を挟み込まれて「もごごっ」と情けない声を上げる羽目に。 「いじめ甲斐ありすぎ、ハレル」 興奮したグレーのカラコン吊り目が奥二重目を間近に覗き込んだ。 「お前のそーいうとこ大好き」 今度は犬扱いさながらに髪の毛をぐっしゃぐしゃに掻き回される。 「もぉ、やめ……っ」 「やめない。だって俺のだし、ハレル」 「だからそれやめろぉ~~っ」 ほんとなにこれ。 イヤガラセにも限度があるよ。 イヤガラセでしょ? いつもみたいにからかってるんだよね? 「お前のこと誰にも渡さねーから」 これまで徹底して避けていた美形ヤンキーのご尊顔を目の当たりにして、告白としか思えない台詞を連発されて、晴樹は耳まで真っ赤にした。 「んっっっ」 再びキスされて、コリコリしたタンピアスの刺激に背筋をゾクゾクさせた。 ついついお尻までブルブルさせてしまう。 「んっ……んっ……んっ……!」 口内に親指までぞんざいに突っ込まれ、より濃厚にぶちゅぶちゅキスされて、反射的にブルブルブルブルさせていたら。 グリグリグリ 空気扱いとなっていた伍藤がブルブルお尻に股間を押しつけてきて晴樹は目を見開かせた。 「おい、ゲス眼鏡いつまでいんの、つーか俺のハレルにさわんな」 「お前ってガキっぽい、好きなコをいじめたがる脳内幼稚園児」 「そっちは表向き優しくしてやってゲスな本性隠すサイコ野郎」 「不特定多数の低能セフレ侍らせて楽しい?」 「なんかシャ●ルくさ、これって英語科の準備室でよくする匂い? さすが交尾中毒エロゲス眼鏡」 自分を挟んで言い合いしながら、こぞって紐パン股間に目下発情中の股間を押しつけてくる西條と伍藤に晴樹は成す術がない。 どっちもなんで、こんな、こんな……こんな育ってるんですか。 おれまで変な気分になっちゃうじゃないですか。

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