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リバって愛して-3
ジリジリと心まで苛ついてくる二人。
夜が近づいて涼しくなるどころか肌にこびりついてくる熱気に刺激されて腹に溜まったこの苛立ちを吐き出したい。
捌け口を求めて、意を決して。
「「なぁ」」
「ッ……なんだよ、阿南」
「……先に言え、緒方」
「はぁ? そっちが言えよ」
「……」
「「あのさ」」
二度目の決心もまさかのだぶり。
ジリジリが限界近くにまで達した二人は思わず互いの顔を見た。
近い。
あれ、こいつってこんな顔だったかと、一瞬疑問に思う。
そして、ああ、そういえばこんな顔だったと、納得する。
また言葉がだぶったら、それを考えると億劫で、何となく黙って見つめ合った。
背後のフェンス越しに車が通り過ぎていく。
ほんの束の間、掻き回された熱気。
これだけ視線を重ねても顔を逸らされないのは脈ありのパターンかと、望ましい展開に急激に喉が渇き出して。
つい震えた喉仏。
そんな些細な反応がやたら視界に刻みつけられて、心臓の裏側が疼いて、我慢できなくて。
キスしてみた。
色の褪せた唇同士を繋ぎ合わせて。
目を閉じるのも忘れて。
あ、なんだ。
両想いだったのか、俺達。
「ん……っ!」
「ッ……緒方……っ……ッッ……っ」
バリアフリーのトイレ、壁際にスクバを放置した緒方と阿南は唇をぶつけ合うのに夢中になっていた。
「あのカップルの後とか……最悪だな」
「……場所、変えるか?」
「めんどくせぇよ……ッんんんんっ」
ほぼ同じ身長にある二人は互いの髪を引っ掴んで噛みつく勢いでキスしまくった。
制服越しに重なる正面。
疎ましいはずの熱が恋しくて限界まで密着して疼きを共有する。
あっという間に発熱した下肢も意図的に重ねた。
服越しに触れ合うペニスに興奮が止まらない。
二人分の唾液で唇をどろどろにしながら理性をなくした動物みたいに擦り合いに励んで、舌を噛み合って、体中、汗に濡れて……。
「はぁ……ッッ緒方……ッッ」
先走りの透明蜜ですっかり濡れきって唾液を纏わせる必要もなかった阿南のペニスが緒方の後孔に突き入れられる。
洗面台に縋りついた緒方は処女喪失にギリギリと歯を食い縛って……肩越しに阿南を睨め上げた。
「な、んで……ッ俺が突っ込まれてんだよ!?」
突っ込む気満々だったところを少しだけ自分より体格の勝る阿南にあれよあれよという間に……そういう流れに運ばれて。
悔し涙を滲ませて睨んでくる緒方に、阿南は、激しくうねり蠢く尻孔奥でさらにペニスを硬く膨らませた。
「あッ、このバカッ……これ以上でかくすんじゃねーよッ!」
「……お前が……堪らないから……お前はよくないか、緒方……?」
熱いため息交じりに低い声音で問いかけられて。
開放された股間で緒方のペニスはゾクリと震え勃った。
クソ。
初めてなのにすげぇイイ。
「うあッバッバカが……ッ速ぇんだよ、クソッ!あっあっ……はぁっはぁっあっ、ッ、く……あーーー……ッッ」
「う、ッ、う、ッ」
「はぁ……ッお前の処女膜、ブチ破ってやったぞ、阿南……?」
「ッ……お前、いつも……初めての相手にそんなこと言うのか」
「……言うかよ、バーカ……お前だから言うんだろーが」
「……意地悪だな」
壁に両手を突いて自分のピストンに合わせて揺らめく阿南に緒方の飢えは少しも満たされずに加速する一方だった。
制服シャツとTシャツをいっしょに捲り上げて熱せられた外気に汗ばむ肌を曝す。
部活で日々熱心に動かしている体を両手でまさぐり回す。
「やっぱ鍛えてんのな」
膨らみも柔らか味もない引き締まった阿南の半身を掌で探り尽くして。
みっしり締まった尻孔の最奥を今にも暴発してしまいそうなペニスで好き放題に突く。
「クソ……ッ俺、自分が早漏だって初めて知ったわ……」
「はぁッ……はぁッ……ッ」
「ッ、何回もシュミレーションしたんだけどな……ッつーか……昨日の夜?」
「ッ……俺は今朝だ……」
一度達したところで全然足りない。
まだ、もっと、ひたすら感じたい。
「ん、ぷっ……んぶ……っは、あっ……阿南……!」
「ッはぁ……ッ……緒方……ッ」
相手の奥底で一度射精を迎えても尚張り詰めたままのペニスをしごき合い、重ね、擦って擦られて、さらに卑猥にふんだんに濡らし合った。
一向に飽きないキスで窒息しそうになりながら。
「どうすんだよッ……止まんねぇぞ、これ……ッ」
怖いくらい抑えられない性欲をさすがに案じ始めた緒方に阿南は言う。
「……考えるより先に……お前にキスしていたい」
そんな言葉に脳天を痺れさせて息継ぎのままならないキスも荒ぶる下半身も、結局、緒方は受け入れてしまう。
「ん、ッ、ぅ、ぷ、はぁッ!クソッ!イく……ッッ!」
「お、れも……緒方……ッッ」
夏休みはこれからだというのに。
まるで世界の終わりみたいに求め合う緒方と阿南なのだった。
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