533 / 596

リバって愛して-6

阿南の匂いと交じり合う熱気で窒息しそうになる。 「あ、ッ、ッ、はぁ、ッ」 床に落ちた阿南のタオル、緒方のマフラー。 片足には制服ズボンとボクサーパンツが一緒くたに引っ掛かっていて。 「おま、ぇ……ッの、発情スイッチ、即効過ぎンだよ……!」 もう片方の足を持ち上げられ、向かい合った立ち位で阿南と部室セックスしていた緒方は悔し紛れに目の前の同級生を睨んだ。 恋人である同級生男子の背中をロッカーに押しつけるようにし、下の着衣をずり下ろして取り出した火照りペニスで肉孔を突き掘っていた阿南はバスケの練習時よりも発汗していた。 部室に染みついた運動部特有の匂い、阿南の汗の匂い、二人の性器の匂い。 濃密に絡み合って押し寄せてきては緒方の理性を麻痺させる。 さらなる興奮を誘って下半身を堪らなくさせる。 肉と肉が激しく縺れ合う。 絶え間ない過激摩擦に先走りが止め処なく溢れ、肌身の外側も内側も濡らしていく。 「緒方……ッ」 片手でさらに抱き寄せられて密着し、後孔の奥の方を膨れきった亀頭で小突かれて緒方は喉を反らした。 「も、立て、ねぇ……ッ無理……!」 あの緒方が控え目ながらも泣き言を洩らす様に体どころか脳内も発熱して、阿南は、険しげに眉根を寄せた。 「ッ……あな、ん」 試合中でも滅多に見られない、セックス時にだけ頻繁に見せる精悍な若雄めいた顔つきに緒方の腹底はより重たげな熱を孕む。 ロッカー伝いにずるずると滑り落ちていく体。 阿南も後を追う。 制服を乱した緒方を床に仰向けにし、のしかかる。 傍らに両手を突いて全力で何度も何度も腰を振り仰いだ。 ほぼ同時に二人の絶頂が近づくと繋がりを解き、茂みの根元付近から先端まで濡れそぼったペニス同士を大胆に重ねた。 緒方の制服が汚れないよう、胸元が露になるまで捲り上げ、利き手を添え、夢中になってひたすらしごいた。 力強い大きな掌の内側で過剰に膨れ育った肉片が無造作に擦れ合う。 息継ぎも忘れて乱暴なキスにのめり込む。 「はッはぁッ、んッ、ぅッ、ッ、んんッ、ン……ッ!」 喘ぎ声すら阿南に食べ散らかされながら緒方は白濁飛沫を盛大にぶちまけた。 車のヘッドライトがバス通りに溢れる帰り道。 歩きながら阿南が何か食べているので緒方が何気なく目を向けてみれば。 「今頃食ってんのか、阿南」 阿南は昼休みに四等分されたビター板チョコの欠片をちびちび食べていた。 「……佐藤がお前に買ったものだけど、お前からもらって、俺は一番嬉しかった」 緒方は照れ隠しに舌打ちする。 「ちゃんと甘いの、俺が買ってやるよ」 コンビニのだけどな。

ともだちにシェアしよう!