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しょたヤンで何が悪ぃ?-4
「……センセェ……」
かつてない角度で目にするシマ先生にミサキは緊張でガチガチになった。
ふかふかな敷布団に仰向けにされたかと思えば。
すぐさま真上にやってきたシマ先生。
頭の両脇に両手を突かせて、覗き込まれて、全身が心臓になったみたいに鼓動した。
「お前がこんなに大人しいなんて貴重かも」
眼鏡レンズ越しにその眼差しを独り占めして猛烈に高鳴る胸。
「甘えたがりの飼い猫みたい」
そんな胸を暴くようにシャツのボタンを一つずつ外していった長い指。
「あ、えっと」
途中でミサキが恥ずかしさと緊張で耐えられずに声を上げれば、ぴたりと、シマ先生は手を止めた。
「ぬ、ぬ」
「ぬ、ぬ?」
「脱がさなくていいッ……シャツ……こんままでいい」
ほんとに。
ほんとに今からセンセェとえろいこと……。
「……センセェ?」
外したばかりのボタンを、一つずつ、順々にかけ始めたシマ先生にミサキは吊り目を丸くさせた。
「やっぱり怖いんだろ」
シマ先生から中断する気配を嗅ぎ取ると、咄嗟に、その両手をぎゅっと握りしめた。
「や、やっぱ脱がしていい」
「無理しなくていいよ」
自分より大きな手。
関節が浮き出た五指の感触に改めてドキドキした。
「ムリなんかしてねーもん……センセェこそムリしてんじゃねーよ……オレにえろいことしたいくせに……」
シマ先生は、教え子らに死んだ魚の目としばしば揶揄される目を意味深に細めた。
「俺の方がお前にえろいことしたがってるって?」
「そ、そーだよ、だからさせてやるって言ってんだよ」
「かなりの上から目線だな」
「た、たまってたりすんだろ、オトナだから」
「うん?」
「仕方ねーからオレが相手してやるって言ってんの」
「オトナの俺をこどものお前が満足させてくれるわけか」
「さ……させてやるよっ、それにオレこどもじゃねーもんっ、来年で中学だし! そこそこ家事やれるしっ、ゴミ捨てだってできるしっ、分別完ぺきだし!? それにもう剥けてっから!!」
「ふぅん」
緊張をどうにかしたくてのべつ幕なしに喋りまくっていたミサキは……突然、口をかたく閉ざした。
服越しに、いきなり、秘められるべき場所を触られた。
ゆっくり、優しく、ソコを撫でられた。
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