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求愛フラストレーション/不良×平凡←男前+美形/ギャップ男子攻め平凡くん総受け

仲山幸太(なかやまこうた)には仲のいい二人の幼馴染みがいる。 「幸太、またノラネコに引っかかれたのか? だいじょうぶか?」 クラスのリーダー的存在で、どんなときでも頼りになる峯大和(みねやまと)。 「ばんそーこ、はってあげるね」 ときどき女の子に間違われることもある、可愛らしい顔立ちをした小野塚真希生(おのづかまきお)。 幼稚園も同じで、小学校の登下校も一緒の班だった。 ご近所付き合いで親同士も顔馴染みの仲にある。 大和の妹、真希生の姉のこともよーく見知っていた。 「幸太、ほっぺたにマヨネーズついてるぞ」 「好きなオカズあったらあげる、幸太、どれがいい?」 遠足や運動会でも必ず一緒にお弁当を食べたり。 「寒くないか? 俺のジャージ貸そうか?」 「あ、ほら、また流れ星、きれいだね」 なんとか流星群のときには誰かの家にお邪魔して、一緒に夜空を観察したり。 「バスケの試合、見にきてくれるよな?」 「今度の土曜日だって、一緒に行こうよ。ね、幸太?」 中学も三人一緒のところへ。 「三人とも同じクラスだ」 「本当? よかった、三人一緒だと心強いよね。ね、幸太?」 高校まで一緒に……。 「三人、同じクラスになれるなんて奇跡的だよなー、すごいすごい」 新入生で溢れ返る生徒用玄関。 多くの視線を惹きつける大和と真希生。 そんな二人の視線を独占している、極々普通男子の幸太。 (おれの幼馴染みの大和と真希生) ずっと三人一緒に過ごしてきたけど、またこれからも一緒に高校生活を送れるなんて、嬉しい。 それにしても。 二人とも、高校生になって、またさらに……。 「ねぇ、あの背が高い黒髪の人、かっこよくない?」 「あのコ、××中のバスケ部にいたよ、同じ高校とか感激すぎる……」 高校もバスケ部に入るつもりの大和は「あと2センチほしい」って嘆いてるけど、嘆く必要ない、178センチで十分だよ、169センチのおれからしたら立派な高身長だけどなー。 「え~、私は隣のコがいいなぁ、顔きれい~」 「一般男子とオーラが違う……キラキラしてる……」 わかる、昔は女の子みたいにかわいかった真希生だけど、今じゃあすくすく育って身長174センチ、芸能人みたいにオーラがあって目立つ、とにかくキラキラ度が半端ない。   で、見た目も中身も、ザ・普通なおれ。 「これから身長伸びるかなぁ」 「まだまだ伸びるだろ、なぁ、真希生?」 「うん。でも、今のままでも問題ないと思うよ」 二人から頭をポンポンされた。 (伸びるかなぁ、実はこれからグングン伸びて二人を追い越しちゃったりするかも……?) そんなこんなで一年後。 幸太の身長は相も変わらず平均値ぶっちぎりの170センチに、ちなみに成績は平均点をちょっとだけ下回る結果に……テスト勉強の際、眠気に全敗したのがいけなかった……。 「今年は幸太だけ違うクラス、か」 二年生になった大和は念願の2センチUPを果たして180センチに、部活動に励んで筋肉がつき、体つきもぐっと男らしくなった。 「俺と大和は一緒なんだね。隣のクラスだし、幸太、いつでも遊びにおいで?」 真希生は美形ぶりに恐ろしく磨きがかかった、この一年間で学校一の女子人気を獲得するほどに見目麗しく成長した、ちなみにこちらも身長が2センチ伸びて176になった。 (……まだまだわからない、おれだってこれから一気に15センチUPするかも……)

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