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求愛フラストレーション-19
「今年の仮装コン優勝クラスは2年Bクラス! ベスト仮装スチューデントは小野塚真希生くんです!!」
(やっぱり真希生が優勝した……)
大賑わいの体育館で開かれた仮装コン。
学年毎にランダムに選ばれた審査員の生徒が自分のクラス以外に投票、そこに教師や来場客の特別審査員による投票も追加されて、優勝クラスとベスト仮装賞が決定した。
「どうもありがとうございます」
重複して選ばれた真希生がステージ上でお礼を告げれば次々と上がった歓声。
「去年は辞退したけど今年初出場で優勝か。さすが真希生だな」
「うん」
大和と共に拍手しつつ、幸太は、ステージ隅っこにいる朔也が気になって仕方がなかった。
(吸血鬼コスプレ、す……っごく似合ってる、おれは一番かっこいいと思うよ、朔也くん)
「優勝したコもいいけどさー、わたし、帽子かぶってるコがイイ」
「金髪のコでしょ!! わかるわかる、あれってウィッグなのかなー?」
「同じ吸血鬼でも雰囲気違うよね、パツキンくんはガチで血とか吸いそう」
「……幸太? なんで一人で笑ってるんだ?」
「なんでもない」
近くにいた女性客の会話が聞こえ、どうしても我慢できずに幸太は笑ってしまった。
「すみませんっ、写真撮ってもいいですか!?」
仮装コンが無事終了し、中庭で真希生と落ち合おうとした幸太だったが、押し寄せてきた女性陣に唖然とした。
「あの、バスケ部の大和センパイですよね? 実はずっとファンで……」
他校の制服を着た女子数名に声をかけられ、無難に対応している大和には舌を巻いた。
(年々、人気度が増してってるな、大和も真希生も)
取り囲まれた二人から幸太はさり気なく離れた。
たくさんの人が行き交う中庭をきょろきょろ見回す。
「あ」
シルクハットとステッキが見当たらない、猫背度の増した朔也を見つけ、笑顔で駆け寄った。
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