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続・トモ活しちゃう?/無愛想男子×わんこ男子

https://fujossy.jp/books/5316/stories/179276 ↑こちら(トモ活しちゃう?)の続編になります/今回、ハート喘ぎあり 「昨日は勝手に帰ってしまって誠にごめんなさい!!」 昨日のクリスマスイブ、カラオケ合コンを勝手に途中退席していた幸村凌空(ゆきむらりく)は、参加メンバーだった友達数名に土下座する勢いで謝罪した。 「ゆっきー……お前って奴は」 「ごッ、ご迷惑おかけしました! はい、お金! 俺と樫井(かしい)の分! それからつまらないものですが新発売のポテチ!」 「いやさ、いきなり黙って帰ったのも驚きだったけど、あの話、マジなん?」 「あの話って何のこと!?」 「ゆっきーがママ活してるって話」 「ぶふぉっっ!!!!」 冬休みに入って普段以上に大賑わいのファストフードショップ、窓際のテーブル席で周囲の注目を浴びて凌空は赤面した。 「マ……ママ活なんて……そんなどえろいこと……するわけない……」 (樫井はしてましたけど) 『そいつママ活やってるぞ。後で痛い目見るからやめとけ』 ……樫井が女子にテキトーなこと言ったから誤解された。 ……そもそも、樫井はなんであんな意味不明なウソついたんだろ。 「まー、確かにゆっきーがママ活とか柄じゃないもんな」 「そもそも、なんで帰っちゃったわけ?」 「えーーーーと」 (イブの日に樫井と二人でいたかったからです、なんて言えないです) 凌空が返事に困っていると友達の携帯が短く鳴った。 「うそ、もう来てるってよ、りよたん達」 「あれ、待ち合わせ一時半じゃなかったっけ?」 「なんか早く来たって」 「あ、俺達さ、昨日と同じメンバーで今からボウリング行くんだけど、ゆっきーも来る?」 凌空が首を横にブンブン振れば、友達数名は慌ただしげに席を立った。 自分達はもう行くからと、食べかけのポテトやナゲットもそのままに「初詣もりよたん達と行くかも」と告げて、足早に店を出て行った。 おしゃべりで騒がしい店内に一人ポツンと残された凌空。 しょ気るかと思いきや。 「やった~、ポテトもナゲットもアップルパイもパンケーキもある~、ぜんぶ俺の~」 何かとお腹を空かせている健全十代男子、友達が残していった食べかけを嬉しそうに掻き集めた。 「お前でも意地汚い真似するんだな、幸村」 「あ、樫井」 凌空の友達に会うのを面倒くさがり、外で待機していたはずの樫井が店の中へやってきた。 身長182センチ、手つかずの黒髪、常に乾いた眼差し、写真部部長。 教室では口数が少なく、つるまず、媚びず、アウトロー的存在の男子生徒はポテトをごっそり摘まんでいる凌空の向かい側に座った。 「みんな慌てちゃって、持っていけばいいのにさ、もったいないから俺が食べちゃう」 身長175センチでちょっと短め茶髪、人懐っこい性格の凌空はソースをたっぷりつけたナゲットを一口で頬張る。 「樫井も食べる?」 「誰が食うか」 「昨日合コンした相手と今からボウリングなんだって」 「お盛んな奴等」 「あ!」 「うるさい、急に何だ」 「か、樫井があんなウソついたから? 友達にまで勘違いされた! ほんとなんであんなウソついたの!?」 「本当うるさい、もうちょっと静かに食え」 昨日のイブに合コンを抜け出した二人は目出度く結ばれていた。 つまり自分達こそお盛んなわけで……。 「早く完食しろ」 「今からどっか行く? 駅前のツリー見る? イルミ見物する?」 「真昼間に電飾の抜け殻見て何が楽しいんだ」 「映画行っちゃう? 最新作見ちゃう?」 唯一、自分で買った、適温になったカフェラテをゴクゴクしている凌空に樫井は淡々と言う。 「俺のウチ行っちゃう?」 トーンはまるで違うものの口調を真似された凌空は目を丸くさせた。 『今までのツケ、これで帳消しにしてやる』 昨日、樫井にめろめろめろめろにされた一時を思い出して耳まで赤くした。

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