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美形幼馴染みがアルファの発情期に突入した結果、平凡ベータのおれに盛りまくってしまった/α×β

「響生くんが発情期になった!?」 高校一年生の草間悠汰(くさまゆうた)は仰天した。 「響生くん」こと二つ年上の幼馴染みでアルファの真堂響生(しんどうひびき)が、アルファ特有の発情期であるラットに突入したと聞かされて動揺せずにはいられなかった。 『悠汰くん、おいで、ジュースあげる』 悠汰と響生は同じマンションに住んでいた。 小学校が一緒で登下校の際はお世話になったものだった。 『えーと、真堂くん、ちょっといい?』 『ねーねー、響生クン、二人で図書館で勉強しよ?』 『今からママとカフェに行くんだけど、一緒にどーかな?』 小学生の時点において響生の人気ぶりは凄まじかった。 成績優秀、スポーツ万能、身長は高い方、こどもながらに容姿端麗という言葉があてはまる大人びたルックスを擁していた。 『ごめん、寄り道は禁止されてるから』 響生の親は割と自由主義だった、寄り道禁止など一度も口にしたことがない、でも響生は毎度スマートに嘘をついては放課後のお誘いを丁寧にお断りしていた。 『悠汰くん、ごめんね、待たせちゃったね。ほら、帰ろう?』 響生はほぼ毎日欠かさず二つ年下の悠汰と登下校してくれたものだった。 (響生くんが小学校卒業して、私立に行ってから、どんどん会わなくなっていった) 最初、悠汰はとても寂しく感じたものだった。 しかし、そもそも響生は優秀で貴重なアルファだ。 なおかつアルファの中でもその端整な容姿は段違いに飛び抜けていた。 ベータで、ベータの中でも平平凡凡で突出したところがゼロな自分とは住む世界が違っていたのだ。 (響生くんとの登下校は淡い思い出だ) そんなわけで悠汰は現実を受け入れた。 幼馴染みアルファとの非接触なる日々を受け入れた。 同じマンションでも擦れ違うことのない響生の存在は悠汰の日常から薄れゆく一方となった。 今日までは。 「大変だろうな、響生くん……」 「しかもね、真堂さんは明日から海外出張らしくて」 夕方のキッチンで母親から話を聞いていた悠汰は、しどろもどろに問いかける。 「アルファのラットって、その、あの、なんかこう……オメガに興奮しちゃうってやつでしょ? よく知らないけど」 「私もよくわかんない」 「だ、だよね……ベータだもんね、おれたち……」 響生は母親と二人暮らしだった。 ちなみに母親もアルファだ。 医学部に籍をおく脳神経外科の教授であった。 「大事な学会でキャンセルなんてできないし、響生くん自身も大丈夫って言うから、行くみたいだけど」 「出張って、どのくらい?」 「五泊六日」 「長っっ」 「これまで出張なんて珍しくなかったし、しっかり者の響生くんに留守は任せてきたけど、さすがに今回は初めての事態で? 自治会でも保護者会でもバリバリさばけてたあの真堂さんも珍しくてんぱってた」 学校から帰ってきて、夕飯の準備にとりかかる母親の手伝いをしていた悠汰は顔を曇らせた。 (大丈夫かな、響生くん) 「響生くん、おれ……です、悠汰だよ、聞こえる?」 母親から話を聞いた翌日の放課後。 悠汰はマンション二階の自宅に帰らず、真堂宅がある最上階の八階へやってきた。 (余計なお節介かもしれないけど) 学ランに白スニーカー、リュックを背負った悠汰は缶ジュースを持っていた。 以前、響生がよく買ってくれたジュースだ。 マンション下の自販機で販売されていて、久し振りに購入した。 「大丈夫? 具合悪くない? 何かあったら、いつでも下に来ていいからねっ」 最上階にあるのは真堂宅のみで、周囲を気にする必要がない悠汰はドア越しに響生に声をかける。 「ジュース置いておくから、その、お大事にっ、気をつけてっ」 それだけ告げると、ドアの前に缶ジュースを下ろし、くるりと回れ右をした。 幼馴染みの容体が気になって後ろ髪を引かれつつも、エレベーターホールへ向かおうとした。 ……カチャ…… 微かなドアの開閉音がした。 思わず立ち止まり、振り返れば、彼と目が合った。 「響生くん」 響生はドアにもたれかかるようにして通路に半身を覗かせていた。 お風呂上がりなのか、綺麗に染められた髪はやたらとしっとりして見えた。 長い睫毛の影を吸い込んだ双眸は重たげに潤んでいる。 隅々まで滑らかな頬は夕陽の色に仄かに染まり、かたちよき唇はうっすらと開かれていた。 「……悠汰くん……?」 (響生くんだ) 久し振りの再会に悠汰の胸は素直に弾む。 しなやかに美しく成長し、圧倒的魅力に磨きのかかったアルファに惚れ惚れしかけた。 が、シンプルな部屋着姿の響生が通路へ出てこようとしてよろけたのを見、慌てて駆け寄った。 「で、出てきて大丈夫っ? てかごめんっ、わざわざ対応してくれ、て……」 (響生くん、熱い! あっつあつだ!) 支えた彼の体が想像以上に熱く、そして重たく、悠汰は目を白黒させる。 「ごごごごっ、めん、ほんとごめん! これ熱出てるよね!? かなりきっついよね!? 早く家の中戻ろ!!」 ――アルファに訪れる発情期、通称・ラット。 その興奮対象は主にオメガだと言われている。 性欲が上昇し、理性が回らなくなり、手当たり次第にオメガを襲ってしまうケースもあった。 よってラットになったアルファは自宅待機を余儀なくされる。 本能の虜になったアルファを最も突き動かすのは、純粋な、生殖本能――。 (う、嘘でしょ、これって、そんな、そんなぁ) 悠汰は夢だとしか思えずにいた。 「っ、待っ、待って……! 待ってってばぁ……! 響生く……!」 発熱している響生の体を支え、誰もいない家の中へ、無理をさせないよう休ませるつもりでお邪魔した。 しかし。 『えぇぇぇえ!? ちょ、なんで!? どしたの!?』 今にも倒れそうだったはずの響生に、いきなり下着ごと制服ズボンをずり下ろされて。 そして、それまで気づかなかった、すでに臨戦態勢モードに入っていた彼の熱源が……お尻の穴に押しつけられて。 『だめだめ! だめだって! おれベータだし!? オメガじゃないってば!! ソコ違う~~!!』 ラットで錯乱でもしているのか。 両性具有のオメガではない、ベータ男子の悠汰が持つ唯一の穴に、あろうことか響生は。 ペニスを捻じ込んできた。 「っ、待っ、待って……! 待ってってばぁ……! 響生く……!」 玄関の壁に押しつけられていた、スニーカーを履いたままの悠汰は目をヒン剥かせた。 (は、はいってきた、響生くんのはいってきちゃった……!!) 「む、むりむりむりむり、響生くんっ、抜いてっ、早く抜いて!」 焦った、焦りまくった、予想だにしていなかった展開に混乱しながらも、悠汰は響生の暴走を必死になって止めようとした。 しかし。 「ッ……ッ……ッ……!!」 すぐ背後に迫る響生がさらにペニスを捻じ込んできたものだから悠汰は絶句した。 正真正銘、悠汰は純潔だった。 童貞で処女だった。 お付き合い経験ゼロだった。 お尻の穴を使用するなんて一秒たりとも考えたことがなかった。 (こんなのむりだ、てか体が受け付けないだろ、おれのお尻が拒絶反応示すはずだろーーーー!?) 未経験の処女なのだ、きっつきつだ、それがどうして、こうも容易く響生を受け入れてしまっているのか。 (な、なんか……響生くんの……すっごいぬるぬるして……?) ラットの作用だった。 いつにもまして溢れ出る先走りのカウパーが潤滑材となり、困難であるはずの挿入をスムーズにしているのだ。 「な、なにこれ、響生くん、なんか塗ってる……!? これなんかぬるぬるしたやつ塗り込んでる!?」 ラットの詳細を知らない悠汰の混乱は増す。 頂きどころか根元までぬるぬるしたペニスがずぶずぶ挿入されるものだから、慌てふためいた、全力でジタバタして行為を中断させようとした。 しかし。 「……悠汰くん……」 耳元で名前を呼ばれた。 掠れた熱い声が鼓膜にダイレクトに注ぎ込まれて、反射的にお腹の底がブルブルした。 (ほ、ほんと……なにこれ……) 自分のものとは比べ物にならないサイズの、妊孕力に長けたアルファのペニスがどんどん後孔に捻じ込まれていっているというのに。 あんまり痛くない。 拡張されている違和感はあるものの、とにかくぬるぬるがすごくて入り口や内壁が傷つくこともなく、難なく呑み込んでいってしまう。 「悠汰くん……悠汰くん……」 それに響生が物欲しげに何度も名前を呼ぶものだから。 明らかに犯されているのに、悩ましげな吐息の触れる鼓膜がジンジンして、胸の奥が疼いて、堪らなくなる。 許してしまいそうになる……。 「ぇ……ぁ……っ」 悠汰は眉根を寄せた。 ずぶ、ずぶ、途中まで挿入された太くて硬くて長いペニスが前後に動き出して、何とも言えない摩擦が後孔内で生じ、戸惑った。 「や……やだ、なんだこれ……」 お尻なのに。 こんなことされるなんて一度も考えたことすらなかったのに。 「やだぁ……ふぇぇ……」 驚きや混乱で強張っていた悠汰の表情に変化が出始めた。  いつも眠たそうに見えると友達から揶揄される瞳がじわりと濡れていく。 青ざめていた頬はいつの間にか上気し、汗ばんで、熱を帯びた。 「やだやだやだやだ……怖ぃぃ……」 未知なる感覚に悠汰は怯えた。 『やだっ、こわいっ、こわぃぃっ』 昔のことだ。 下校しているとき、散歩中だった犬に吠えられて、怖がった悠汰は響生にしがみついた。 犬は小型犬で、すぐに飼い主に抱っこされて去っていった、傍目には微笑ましい光景だったかもしれない。 でもわんちゃんねこちゃんに免疫がなかった悠汰は本当に怖くて、小型犬が猛犬に思えて、響生にぎゅうぎゅう抱き着いた。 『あっちいった? もういない? もう平気?』 『うん。あっちに行った。もういないよ。もう平気』 「あ……っ……あ……っ」 壁に縋りつく悠汰は否応なしに喘がされる。 背中にぴったり密着する響生は不埒な揺れを刻む。 響生の透明な先走りでぬるぬる塗れになり、蜜壷と化した悠汰の後孔に頻りにペニスが出挿(でい)りする。 キュンキュンとざわつくナカをじっくりヤラシク突かれた。 「あん……っ」 悠汰は甘い声を上げた。 ズボンと下着が引っ掛かっている太腿を粟立たせ、喉を反らした。 「こ……これ……こんなの……変……初めてなのに、おれぇ……おかしい……」 何もかもまるっと初めてなのに感じてしまっている。 初心極まりない自分の熱源までピクピクと反応している。 (犯されて、初めてで、気持ちいいなんて) 響生くんのせいだ。 全部、響生くんが悪い。 「き……嫌い……響生くん、嫌い……」 口から転がり出た精一杯の悔し紛れの言葉。 すると。 「やだ」 いっぱいいっぱいだった悠汰は目を見張らせた。 すぐ耳元で紡がれた彼の声に心臓を震わせた。 「僕のこと嫌いになったらだめ。絶対、やだよ、悠汰くん」

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