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君は幼馴染み-8

「ひゃっ……?」 ずるりと指が引き抜かれ、えもいわれぬ感覚に幸太はゾクリと身震いする。 次にひょいっと抱き起こされ、後ろから大和に思いっきりハグされて、ちんまりした瞳を忙しげに瞬きさせた。 「付き合うわけないだろ」 薄っぺらな胸にしっかりと撒きついてきた頑丈な両腕。 幸太の着用するシャツに深い皺が刻まれた。 「もう誰とも付き合わない、幸太以外とは」 「……」 「お前、俺が告白したの忘れたのか」 「わ、忘れてない……」 「俺から告白したのは幸太が初めてなんだ」 大人びた低めの声を紡ぐ唇が耳たぶを掠め、些細な接触にさえ幸太はまたゾクゾクしてしまう。 「また告白されたら付き合うんじゃないかって、そんな風に怪しまれるのは心外だな。でも悪くない」 背後から頬擦りされるとお腹の底がキュンキュン……と、純情よろしく素直にときめいた。 「わ……悪くないって……?」 「幸太、ヤキモチやいたんだろ?」 「ッ……べ、別にやいてない」 「うそつき。付き合ったらどうしようって、不安に思ったんだろ……?」 抑えきれない笑みを浮かべて大和はハグに一段と力をこめる。 「大丈夫。俺はお前のものだから」 幼馴染みからの「お前のもの」宣言に幸太の顔は隅から隅まで真っ赤になった。 「他の誰かに目移りするわけない」 「や……大和、もういい」 「そもそも最初からずっとお前のことしか見てない」 「もういいってばぁ~~……っ」 「ずっと独り占めしたかった」 改めて熱烈に告白されて逆上せた幸太、もう「ぷしゅーっ」寸前だ。 いきなり前戯が中断された後孔は無視できないほどにヒクついていて。 半勃ちの熱源は空中で心細そうにピクピクしていて。 「俺と同じように。幸太にも俺だけを見てほしかった」 後ろから伸びてきた手が熱源をそっと握り締める。 ぬちゅ……ぬちゅ……ローションを含んだ掌が糸を引いて上下した。 「あっ? 待っ、待って待って……! これはちょっと……!」 ぬるぬる愛撫に幸太は悶え、身を捩らせる。 「まぁ、だから。幸太は一生童貞ってことになるな……」 「はぃぃぃいっ!?」 「そうだな、オナホで我慢してくれるか……?」 「うぉいこらぁっっ……大和っ、お前なぁっ……あっあっあっ……っ……それ、だめぇ……」 ローションが溜まった鈴口、ゆっくり優しく親指でズリズリされて幸太は仰け反った。 「俺の手、こんな風にオナホ代わりに使ってくれてもいい」 (この変態スケベ脳!!!!!) 「ッ……や……大和……?」 ふと背後から大和が離れ、文句をぶつけようとしていた幸太は出鼻を挫かれ、きょとんとする。 ハーパンを履いた半裸の大和が自分の足元に蹲ると、まさかの行為を予感し、即座に背筋を戦慄かせた。 「ま……待って、さすがにそれは……」 「俺は平気だから」 「いやいやいやいや、おれが平気じゃないしっ、それにローションついてるしっ? 口にしちゃだめだろ!?」 「これはオーガニック仕様で口に入れてもいいやつなんだ。その分、高いんだけどな」 「へ、へぇ~~……じゃなくて!!」 片手で根元を支えた大和に、ピクピクしていた熱源を一舐めされて、幸太は息が止まりそうになった。 ソコを舐められるのは初めてだった。 舌が触れる悩ましげな感覚。 裏筋にちゅっとキスされたときには腰が独りでに跳ねた。 「ん……」 先っちょを頬張られると、お腹の底が爆ぜそうになった。 「っ……大和……」 シーツに両手を突かせて上体を起こしていた幸太は、咄嗟に大和の頭に手を伸ばし、押し返そうとする。 が、深々と咥え込まれて強めに吸われ、もののみごとに抵抗感は削ぎ落された。 「ん~~~……っ、っ、っ……これ、だめぇ……大和ぉ……っ……っ……っ」 押し開かれた内腿がぷるぷる震える。 両足の間に割って入り、しなやかな肉食獣を彷彿とさせる体を屈め、低く構えた大和は一切躊躇せずに幸太の熱源を唇奥へ招いた。 自身の唾液で隈なく濡らし、与えられる刺激に忠実に硬くなっていく純潔ペニスに密やかに愉悦する。 無味無臭のローションに紛れる幸太の味を嬉々として啜った。 「あ……!」 幸太はぐっと首を竦める。 大和の口内にすっぽり包み込まれ、甲斐甲斐しくもてなされ、甘やかされ、すんなり追い上げられて。 (経験豊富の非童貞だからって、大和のやつ、調子乗りやがって~~~……!!) あんまりにも容易く流される自分が不甲斐なく、幸太は悔し紛れに涙目で大和を睨んだ。 「ッ……!!」 上目遣いにこちらを見つめる大和と目が合った。 目元にかかる前髪越しの雄めいた眼差しに幸太はまんまと射貫かれてしまう。 (……あ、だめだ、これ……) 「ッ……ッ……ん~~~~~~……ッ、ッ、ッ……!!」 大和の唇に捕らわれたまま幸太は達した。 止められずに幼馴染みの口内にぶちまけた……。

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