605 / 611

君は幼馴染み-9

「まぁまぁ射精(だ)したんだな、幸太」 ベッドの上で仰向けになってハァハァしていた幸太は、目の前で大和が及んだ行為に目を見張らせる。 「や……大和、ごめん……おれ……がまんできなかった……」 自分の口許に片手を翳し、舌の上に留めていた幸太の雫を掌に吐き出して、まじまじと眺めている大和。 幸太は居ても立ってもいられなくなり、ベッドの隅っこに用意していたティッシュを数枚抜いて彼へと差し出す。 「ふ、拭いて、早く早くっ……えっ……ちょ、何やって……や……大和……えぇぇえ……」 目の前で大和が及んだ行為に幸太はまたしても目を見張らせる。 ベッドの上で膝立ちなった彼は、ボクサーパンツごとハーパンをずり下ろすと、勢いよく飛び出したペニスに濡れた掌を。 すでに完勃ちしている、そそり勃つ我が身に幸太が吐精したものを塗り込んだ。 「や、や、や……大和の変態ぃぃ……」 「ローションの節約になるだろ」 「お、おれもお金出すし……ていうか……また、いつの間にそんな……ご立派な完全形態に……」 「こうなるのは不可避なんだ」 下肢に引っ掛かっていた服を速やかに脱ぎ、目の前へ迫った大和に幸太はついつい尻込みする。 「お前の体温感じるだけで正直クル。俺に感じてるのを見てたら余裕でこうなる」 あれよあれよという間に押し倒された。 バスケの試合のときとはまた違う、男っぽい色気の漂う鋭い眼差しに懲りずに胸を射貫かれて、幸太は硬直する。 「今日、本番、シてみるか……?」 汗ばむ肌から押し寄せてくる熱気。 射精したばかりの絶頂感、幼馴染みの口に……という羞恥心でただでさえクラクラしていた幸太は息を呑んだ。 後孔にあてがわれたペニスの先端。 自身の白濁に温む頂きで入り口を緩々と擦られた。 「このまま……幸太に挿れていいか……?」 少し苦しげな吐息まじりの問いかけに幸太の心臓は痛いくらい跳ねた。 (どうしよう) そして、幸太の視線はどうしてもソレに吸い寄せられる。 大和と自分の間でものものしげに反り返っている屈強ペニスに……。 「あわわわわわ」 「幸太」 「む、むり、今日むり、もう閉店ガラガラ」 「……開店ガラガラ」 「閉店ガラガラ!!」 膨脹しきった頂きをしつこく押しつけてくる大和に幸太は慌てて言い放つ。 「まだ夏休みじゃない!! 今日は終業式で夏休みは明日から!! 本番するのは夏休みだって、大和、そう言ったろ!?」 クッションを抱きしめて懸命に本番を延期させようとする幸太に、大和は、折れる。 目をうるうるさせている幸太の頭を撫でつつ、長い溜息をついた。 「うう……悪かったなぁ、根性ナシのビビりで……」 「別に何も言ってないだろ」 「思ってるくせにっ」 「そんなこと思わない」 大きな手でよしよしと頭を撫でられ続ける。 完全なるこども扱いは癪に障るものの、長年の付き合いによる安心感もあって、幸太はほっとしてしまう。 「ちゃんと……夏休み中には……その……」 もごもごと言葉を濁した幸太に大和は笑みを零した。 「待ち遠しいな」 「そんな……遠足じゃあるまいし」 「幸太は今でも遠足が待ち遠しいのか?」 「あーもーうるさいっ」 「じゃあ、今日は予行練習だな」 「遠足の?」 「本番の」 ローションがまだたっぷり残っているボトルを掲げてみせた大和に、幸太は、わかりやすく表情を強張らせる……。

ともだちにシェアしよう!