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君は幼馴染み-11

「わぁ……ぁ……」 初めて訪れた場所に幸太は思わず某キャラじみた声を上げてしまう。 間接照明に浮かび上がるシンプルな内装の部屋。 革張りのソファにテーブル、壁際にはテレビが設置されていて、窓は厚いカーテンに閉ざされている。 最も目を引くのは枕が二つ並んだ特大ベッド。 整然と設えられた真っ白な寝具にブラウンの細長いカバーがかかっていて、清潔感があった。 (こ……これがラブホ……!) キャップをかぶった幸太はこれみよがしに存在感を放つ特大ベッドを前にして棒立ちになっていた。 (思ってたよりも派手じゃない……普通のホテルっぽいかも……ベッドはやたらでっかいけど) リュックの持ち手を無駄に強く握り締め、幸太はきょろきょろと部屋の中を見回す。 好奇心のままにふかふかのベッドをおっかなびっくり触っていたら。 「可愛い」 すぐそばにいた大和に引き寄せられ、そのままベッドへダイブ、シーツの上に横向きに着地して呆気にとられた。 「いっ……いきなりとか、びっくりすんだってば! 心臓に悪い!」 「ごめん。我慢できなくて」 ビッグシルエットのシャツにテーパードパンツ、さっぱりしたモノトーンコーデの大和は、自分が幸太に被せてやっていたキャップを取り上げた。 「高校生感丸出しだったから念のため被せたけど。逆に中学生感が増したかもな」 チェック柄のシャツに七分丈のカーゴパンツを履いた幸太は膨れっ面になる。 「どーせおれなんかこども感丸出しですよ」 「好きだよ、そういうところも」 「ッ……わざわざ倒置法で言うなぁ~~……っ」 特大ベッドの上、お互い横向きになって向かい合っていた。 視界が大和でほぼ埋め尽くされて幸太の胸は昂揚する。 「や、大和……えっと」 「緊張しなくていい。優しくする」 (……今日、とうとう、大和と本番を……) くすぐったいやら気恥ずかしいやら緊張するやら、いっぱいいっぱいだった幸太は、キスしてこようとした大和に咄嗟に言い放つ。 「あああっ、あのさ!? おれ汗かいたからシャワー浴びたい!」 うっすら涙まで浮かべている幸太に大和は小さく笑ってみせた。 「ちょっと震えてるのな、幸太。可愛いが過ぎる」 「うっさいうっさいうっさいうっさい!」 「いいよ。フリータイムでゆっくりできるし、焦ることないから」 「う、うん」 「俺も浴びるつもりだったし」 「う、うん……?」 奥二重の瞳をパチクリさせ、幸太は、悪戯っぽく笑った幼馴染みに心臓をブルリと震わせた。 繁華街の近くにある、ちょっとばっかし如何わしい裏通り。 夏休み、大和に誘われて、幸太はビビりながらもラブホテルへやってきた。 『ここは割とシンプルで料金も良心的なんだ』 『へ~~、詳し~~、さすがスケベ脳~~』 『妬いてるのか、幸太。嬉しい』 『別に!? 妬いてねーです!!!!』 部屋と同様に浴室もシンプルなものだった。 木目調の壁でテレビもついていてバスタブは広め、男二人で入っても余裕があった。 「あ……ぅぅ……っ……ふぁぁ……っ」 照明を絞って薄明るい室内。 お湯を溜めていない空(から)のバスタブで幸太は何度も身をくねらせる。 大和の指に抉じ開けられたお尻の穴。 ローション塗れの指が二本、後孔にぬぷぬぷと抽挿されている。 「もうすっかり感じるようになったな」 半勃ちした純潔ペニスがピクピクと揺れる様を大和に満足そうに見つめられ、バスタブに背中をもたれさせた幸太はぐっと眉根を寄せた。 「さ……最初は違和感しかなかったのにぃ……大和のせいだ……っ」 「俺のおかげ、だろ……?」 「ぅぅぅ……っ……おれのお尻ぃ……大和に改造されたぁ……」 「それ、褒め言葉として受け取っていいか?」 「ぅぅぅぅぅっ……大和に……お尻ぃ……つくり変えられちゃったぁ……」 「……」 二人とも素っ裸だった。 夏休み、プールに出かけると家族には伝えていて頭からシャワーを浴びた。 「ふゃぁ……っ」 お尻の奥のコリコリとしたGスポットを指の腹で丁寧にゆっくり突かれる。 胸元からお腹にまでローションを注がれ、すでに張り詰めていた乳首を掌で撫で潰された際には幸太は悶絶した。 「あああっ、やめっ、だめだめっ、大和ぉ……っ」 「幸太は乳首攻められるの、大好きだよな……こんな風に」 Gスポットをぐり、ぐり、ゆっくりと突っつかれながら、ローションでねっとりと艶めく乳首を念入りに爪弾かれて、幸太は左右に開かせた両足をブルブルさせる。 「ん……っ……っ……っ……!」 軽く達してしまう。 射精はせずに、さらに熱源をピクピクピクピクさせ、薄っぺらな胸をもどかしそうに反らした。

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