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リバーシング・キス-4

どうして、いつの間に、こんな。 「綺麗だ、雅誓」 馬鹿らしいと、下らないと、思っていたはずなのに。 ……思い込んでいたのか? ……こうなることが怖くて、見ないフリをして、逃げていたのか? 「こうなるまで一年もかかった」 脱ぎ散らかされた制服の上には卒業証書の入った筒が転がっていた。 つい先ほどまで今日で離れ離れとなるクラスメート達が開いたお別れ会に顔を出していた。 隆真の就職祝いも兼ねて、プレゼントを送って、数か月後の結婚式で再会することを約束して一足先に退席した。 『雅誓、俺の家に来ないか』 「今、最高に幸せだ」 ダブルベッドに沈んだ雅誓は何度も瞬きした。 初めてヨシュアの眼前で全ての肌身を曝し、我が身にその熱塊を迎え入れて、ずっと眩暈に溺れている。 恋という名の熱病に魘されている。 「……はぁ……」 紅潮した肌を流れていった一雫に火照っていた緑水晶はまたしても魅了された。 「お前の目から流れるもの、この体も何もかも、綺麗だ」 「……どこが、だ……こんな……こんな反応している体のどこが……」 滾る欲望を後孔いっぱいに咥え込んで萎えるどころか、自身もまた熱く昂ぶって、引き締まった腹筋の間で仰け反っていて。 「ああ。これも」 「ッ」 雅誓の顔を覆い尽くすことができる大きな手が彼の熱源をゆっくり捕らえた。 「綺麗だ」 硬く隆起したペニスを愛しげに撫で上げ、すぐ真下で堪えきれずに肢体を波打たせる雅誓に心行くまでヨシュアは見惚れた。 「……もっと……」 「もっと触って? もっと見つめて? もっとほしい?」 すぐさま囁くように聞き返してきた、体のつくりが根本的に違う、ただただ逞しい彼に雅誓もまた目を奪われた。 「……ぜんぶ……ヨシュア……」 ありとあらゆる日本美を備えていた雅誓があからさまに昂揚する姿にヨシュアは肉欲的な雄の一面を徐々に露にしていった。 屈強な一塊が可憐な蕾孔を大きく大胆に行き来する。 片時も休むことなく健気に締めつけてくる雅誓の仮膣を豪快に擦り上げる。 「ああ……ッン……!」 「雅誓。綺麗だ、とても、ずっと」 短くカットされたダーティーブロンドに白い指先を這わせ、ぎこちなく抱き寄せて、狂おしい熱気を叩きつけてくるヨシュアに雅誓は縋りついた。 「ヨシュア……お前も綺麗だ……」 雅誓の囁きに見開かれた緑水晶。 なだらかな線を連ねる双丘を強めに抱き寄せ、獣じみた動きで腰を律動させる。 収縮をやめない蕾奥を何度も何度も突き上げた。 「ああッ……ッお前が、いてくれて……よかった……何度も救われた……ッ」 「雅誓。もっと抱いて。俺を離さないでくれ」 硬質な背中を辿る華奢な爪。 肌と肌がさらに重なって共有される鼓動。 『転校生のヨシュア君だ、お前等より日本語達者だぞ』 初めて訪れた異国の教室で。 たった一人、すでに視界に特別だった濡れ羽色の彼。 「出会ったときから愛してる、雅誓」 「あ……ッあ……ッあっあっあっ……」 「出会ったときから今日まで、明日から、永遠に……俺はお前のものだ」 「っあ、ッ、ッ、ッ……ン……ッ、ッ……!」 激しい律動の後に刻みつけられた絶頂の証。 ヨシュアに縋りついた雅誓は同じく絶頂に至り、震え、目を瞑り、そっと頷いた。 「お前は俺だけのもの、ヨシュア……」 触れ合った唇で永遠を誓った二人。 end

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